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合同労組への対応

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合同労組とは、労働者が個人で労働組合に加入し、企業別組合と異なり、企業の枠を超えて組織される労働組合です。

労働者が解雇や賃金の不利益変更、配転などにより不満を持ち、その問題を解決するために組合に加入するケースが多いようです。

 

合同労組に対応するための基本的スタンス

現在、従業員が合同労組に駆け込み、労使トラブルに発展することが多くなっているように思われます。

法律には書いてあっても、判例があっても、従業員に知識がないために、これまでは、残業代、解雇問題、有給休暇の取得などを問題にして、合同労組に加入したり、労基署に駆け込んだりすることは比較的少なかったように思われます。

ところが、インターネットの発達により情報を容易に取得することができるようになったこと、日本人が権利主張をするようになったことから、従業員が突然合同労組に加入したり、労基署に駆け込むケースが年々増えてきております。

従業員が合同労組に駆け込み、労使紛争に発展した経験をお持ちの担当者の方も多数おられると思います。

合同労組に対応するための基本スタンスですが、まずはやってはいけないことをやらないということが大切です。

日本の労働組合法は、労使自治を原則とし、会社と労働組合との合意や慣行を尊重します。労働組合が結成されたときに、合意しなくとも良い労働協約を結んだり、会社に不利益な慣行を認めたりすると、後年の労使紛争のもとになります。

 

解雇した従業員が合同労組に加入した場合

解雇=雇用契約の終了のため、解雇された会社の従業員は、そもそも会社の従業員ではなく、その従業員が労働組合に加入したとしても、労働組合からの団体交渉に応じなくともいいのではないかと疑問に思う方もいるかと思います。

しかしながら、解雇が有効であるかどうか争いがある場合には、その範囲において、使用者は、解雇された従業員が加入した労働組合の団体交渉に応じなければなりません。

 

合同労組との交渉の4つのポイント 

合同労組との交渉においても、私が上記に述べたとおり、労働組合法に則り団体交渉をしてください。

その点は、合同労組であっても、企業内組合であっても変わりません。

ただし、以下の点で、合同労組は企業内労組と異なる点を有しますので、その点を頭に入れて団体交渉をしてみてください。

1.第一回目の団体交渉が大事です

団体交渉では、労使間の慣行(ルール)が非常に重要視されます。最初の団体交渉のやり方がそのまま後の団体交渉のルールになってしまうのです。

しかも、そのルールを変えるには合理的な理由が必要になります。

具体的にいいますと、第一回目の団体交渉を社内の会議室で行ったとしたら、それが団体交渉の場所として労使間のルールになってしまう可能性があるのです。
第一回目の団体交渉を会社の施設で行った以上、会社には団体交渉が出来るような場所がないとはなかなかいえなくなってしまうのです。

また、合同労組は、様々な労働者を受け入れ、問題解決のために企業に団体交渉を申し込みます。多くの中小企業は、企業内労働組合を持ちません。
したがって、多くの中小企業は、団体交渉をしろと要求を受けてもどう対応していいのか全く分かりません。

一方で、合同労組は、団体交渉の日時、場所を指定して早めに団体交渉を開催しろと要求してきますので、労基法や労働組合法などについての十分な知識がないまま中小企業の担当者や社長は団体交渉に臨んでしまい、合同労組のペースで団体交渉が進んでしまうのです。

以上の点を合同労組の執行委員(団体交渉の出席者)は、よく知っています。
企業側もきちんと準備して第一回目の団体交渉に臨みましょう。


2.不当労働行為にあたる、労働委員会に申立をするなどの発言にひるまない

一部の合同労組は、およそ不当労働行為には当たらない使用者の行為について「それは不当労働行為にあたる」「労働委員会に申立をしますよ」など発言することがあります(念のため付言しますが、ごく一部の合同労組についての事例であり、このようなことを言わない合同労組も多数存在しますし、本当に不当労働行為にあたることもありますので注意してください)。

先ほども述べましたが、多くの中小企業は、団体交渉をしろと要求を受けてもどう対応していいのか全く分かりません。

そのようなことを言われると、企業の担当者は恐ろしくなってしまい、労働組合のいうとおりに労働協約を結んでしまうことがあります。

事前に専門家を交え、労働交渉に向けて十分な打ち合わせをすれば、このような発言にもひるまずにすみます。

3.合同労組のスタッフの負担も重い

企業の担当者の中には、どうして自分がこんなに団体交渉で苦労しなければならないのか、悩み苦しむ方もおります。

しかし、私は、いろいろな事例を通じて感じたことですが、一部の合同労組のスタッフ(執行委員)も団体交渉について相当な負担感を感じているのではないかと思うことがあります。

なぜなら、合同労組は、様々な労働者を受け入れ、問題解決のためにそれぞれの企業に団体交渉を申し込むため、一人のスタッフがかなりの数の団体交渉を担当しているのではないかと推測されるからです。

私の経験では、組合事務所に電話をしても誰も出ないことはよくありますし、1日に何社も団体交渉のスケジュールを入れているスタッフ(執行委員)の方もいました。

以上はあくまでも私の推測です。

苦しいのは、お互い様と考え、次の項目と重なりますが、団体交渉による解決を図るため、粘り強く交渉しましょう。

 

4.十分な団体交渉を重ねることで解決の糸口を見つけることが出来る

例えば、解雇問題で、企業が合同労組と団体交渉を重ねるとします。
粘り強く、企業の考えをのべ、団体交渉を続けていくと、合同労組から解決案の提案があることがあります。
例えば、一定額の金銭を支払うことを条件に合意退職をする案などです。
企業が資料にもとづいて自らの主張を裏付ける説明を続ければ(例えば、解雇問題について言えば、これまでの当該従業員の勤務成績などを客観的な資料にもとづいて説明することなど)、合同労組も実情を分かり、解決案を示してくれることもあります。
団体交渉を打ち切ったりせず、粘り強く交渉してみてください。

 

無理難題を突きつけてくる合同労組にどのように対応するか 

大人数の労働組合関係者が毎回団体交渉に押しかけ、まともに団体交渉を開催できない、労働組合が多額の金銭を要求するなどして交渉が全く進まない、だからといって、団体交渉を拒否することもできないという場合があると思います。その場合、会社はどのような手続をとればよいでしょうか?
労働委員会において、会社側からあっせんを申し立てることができます。

あっせんは、労働委員会のあっせん員が関係当事者間を取り持って、双方の主張の要点を確かめ、事件が解決されるように努める手続です。

あっせんは、通常労働組合が申請するものですが、制度上会社から申請することができます。

会社があっせんに持ち込むことで、第三者が間に入ることになりますので、まともに話し合いができない、無理難題を突きつけられて全く交渉が進まないと言うことはなくなります。

また、あっせんは、審問(訴訟に言う証人尋問)を行うこともなく、必ずしも詳細な書面を書く必要もないので、手続が簡易です。

あっせん員は、両当事者から事情を聴取して、あっせんの努力を行いますが、あっせん案を出す場合も出さない場合もあります。あっせん員の示す解決案を受け入れるかどうかは当事者の自由です。

ただし、会社が申請するあっせんにもデメリットもあります。

会社があっせんを申請する以上、あっせん員は、当然会社がある程度譲歩した条件を出すものだと思うため、ある程度会社も譲歩せざるを得ません。

また、労働組合があっせんに応じないこともできますので、必ず労働組合があっせんのテーブルに着くかは分かりません。


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