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免職とは、公務員に対して行われる最も重い処分の一つで、その職を失わせるものです。
免職には、非違行為に対する懲戒処分としての免職と、能力不足や病気などを理由とする分限処分としての免職があります。
免職されると、公務員としての身分を失うだけでなく、その後のキャリアや退職金、年金にも影響が及ぶ可能性があります。
公務員が免職となるケースは、民間企業における解雇に相当し、懲戒免職は懲戒解雇に、分限免職は普通解雇に近い性質を持ちます。
目次
免職は、公務員がその職を失う処分であり、大きく分けて懲戒処分と分限処分の二種類があります。
免職は、公務員としての身分を失う最も重い処分であり、その後の人生に多大な影響を与える可能性があります。
公務員がどのような場合に免職されるのか、また免職となった場合にどのような影響があるのかを理解することは重要です。
免職とは、公務員が任命権者によってその職を一方的に免じられ、公務員としての身分を失う処分を指します。
この処分は、公務員に対して行われるものであり、民間企業における「解雇」に相当すると考えられています。
免職されるか否かは、公務員の行為や勤務状況に基づき判断され、本人の意思にかかわらず行われる点が特徴です。
免職には、非違行為に対する「懲戒免職」と、能力不足や心身の故障などを理由とする「分限免職」の二種類があります。
懲戒処分としての免職は、公務員が職務上の義務に違反したり、全体の奉仕者としてふさわしくない非行を行った場合に科される最も重い処分です。
これは、職場内の規律と秩序を維持し、公務に対する信頼を確保することを目的として行われます。
懲戒免職に該当する行為は、国家公務員法や地方公務員法に定められており、公金の横領や窃盗、重大な非違行為などが含まれます。
懲戒免職は、公務員としての身分を失うだけでなく、退職金が支給されない、または一部減額されるといった厳しい結果を伴うことがあります。
分限処分としての免職は、公務員の意に反して行われる退職の処分であり、懲戒処分とは目的が異なります。
分限処分は、公務の効率性を維持・向上させる観点から行われ、職員の勤務実績が良くない場合や、心身の故障により職務遂行に支障がある場合などに適用されます。
懲罰的な意味合いはなく、職員がその職責を十分に果たせない状況にある場合に、組織全体の運営を維持するために行われる措置と言えます。
分限免職になった場合でも、非違行為による懲戒免職とは異なり、退職金が支給される場合があります。
免職と退職は、どちらも雇用関係の終了を意味しますが、その性質は大きく異なります。
退職は、労働者自身の意思に基づいて行われるものであり、自己都合退職や定年退職など、様々な形があります。
一方、免職は、公務員に対する処分として、任命権者の意思により一方的にその職を失わせるものです。
つまり、退職が「自らの意思で辞めること」であるのに対し、免職は「職を失わせられること」であり、その決定権の所在に根本的な違いがあります。
免職は主に公務員に対して用いられる言葉であり、民間企業における「解雇」に相当します。
解雇は、使用者(会社)の一方的な意思表示によって労働契約を終了させることであり、普通解雇、整理解雇、懲戒解雇といった種類があります。
免職も解雇も、組織側からの一方的な雇用関係の終了という点では共通していますが、対象が公務員か民間企業の従業員かという点で区別されます。
公務員の懲戒免職は民間企業の懲戒解雇に、公務員の分限免職は民間企業の普通解雇に近い性質を持ちます。
公務員に対する懲戒処分は、公務員が職務上の義務に違反したり、全体の奉仕者としてふさわしくない非行を行った場合に科されるものです。
懲戒処分は、公務員に対する制裁措置であり、公務における規律と秩序を維持することを目的としています。
懲戒処分にはいくつかの種類があり、違反行為の内容や程度によって科される処分が異なります。
公務員に対する懲戒処分には、処分の軽い順に「戒告」「減給」「停職」「免職」の4種類があります。
戒告は、職員の義務違反の責任を確認し、将来を戒めるものです。
減給は、給与を一定期間減額する処分です。
停職は、一定期間職務に従事させず、その間は無給とする処分です。
そして、免職は最も重い処分であり、公務員としての身分を失わせるものです。
これらの懲戒処分は、国家公務員法や地方公務員法に定められています。
公務員が懲戒処分を受ける理由となる行為には様々なものがあります。
例えば、職務上の義務に違反したり、職務を怠った場合が挙げられます。
具体的には、正当な理由のない長期の欠勤や、勤務時間中の無断離席、上司の命令に従わないといった行為が懲戒処分の対象となり得ます。
また、全体の奉仕者としてふさわしくない非行も懲戒処分の理由となります。
これには、公金や官物の横領、窃盗、詐欺などの犯罪行為、職務上知ることのできた秘密の漏洩、セクシュアル・ハラスメントやパワー・ハラスメント、飲酒運転などが含まれます。
これらの行為により、公務に対する信頼を失墜させたり、公務の運営に支障を生じさせた場合に、懲戒処分が科される可能性があります。
一般企業の従業員が懲戒処分を受ける理由となる行為も、公務員の場合と同様に多岐にわたります。
企業の就業規則に違反する行為が懲戒処分の対象となります。
例えば、度重なる無断欠勤や遅刻、経歴詐称、業務命令への違反、職務懈怠などが挙げられます。
また、会社の財産を窃盗・横領したり、業務上の秘密を漏洩したりといった背信行為や犯罪行為も、懲戒解雇を含む重い懲戒処分の理由となります。
さらに、職場内でのハラスメント行為や、会社の信用を著しく害するような私生活上の非行も懲戒処分の対象となることがあります。
具体的な懲戒処分の内容は、企業の就業規則や、行為の悪質性、会社に与えた損害の程度などによって判断されます。
飲酒運転は、公務員、民間企業の従業員を問わず、懲戒処分の対象となる重大な非違行為です。
特に公務員の場合、全体の奉仕者としての高い倫理観が求められるため、飲酒運転に対する処分は厳格に行われる傾向があります。
飲酒運転による懲戒処分としては、免職、停職、減給などがあり、その程度は飲酒量、事故の有無、過去の処分歴などを総合的に考慮して決定されます。
飲酒運転は、自身の安全だけでなく、他者の命をも危険に晒す行為であり、社会的な信用を大きく失墜させるため、厳しい処分が科される理由となります。
懲戒処分を行う際には、その有効性を確保するために適切な手順を踏む必要があります。
まず、懲戒処分の理由となる事実関係を正確に調査し、証拠を収集します。
次に、就業規則や関連法令に基づき、当該行為が懲戒事由に該当するかどうか、また、どのような処分が相当かを検討します。
この際、非違行為の動機、態様、結果、故意または過失の度合い、職員の職責、他の職員や社会に与える影響、過去の処分歴などを総合的に考慮します。
対象となる職員に弁明の機会を与え、言い分を十分に聴取することも重要です。これらの手続きを経て、最終的な懲戒処分の内容を決定し、本人に通知することになります。
懲戒処分は職員にとって不利益な処分であるため、客観的な事実に基づき、公正かつ慎重に行われる必要があります。
公務員が懲戒処分を受けた場合、その内容が公表されることがあります。
特に懲戒免職などの重い処分の場合、氏名や職名、処分理由などが公表されることが一般的です。
これは、公務に対する信頼を維持し、再発防止を図る目的で行われます。
公表されるかどうかは、処分の種類や事案の内容、各自治体や組織の基準によって異なりますが、重い処分ほど公表される可能性が高くなります。
懲戒処分を受けたことが公表されると、その後の再就職などに大きな影響を与える可能性があります。
分限処分は、公務員がその職責を十分に果たすことができない場合に、公務の効率性を維持するために行われる処分です。
懲戒処分が非違行為に対する制裁であるのに対し、分限処分は公務の能率維持を目的としており、懲罰的な意味合いはありません。
分限処分も、公務員の意に反して行われる不利益処分の一種です。
分限処分の主たる目的は、公務の適正かつ能率的な運営を維持・確保することにあります。
職員が能力不足、心身の故障、またはその他の理由によりその職責を十分に果たすことが困難な状況にある場合に、組織全体の業務遂行に支障が生じることを防ぐために分限処分が行われます。
これは、職員個人の非違行為を問題とする懲戒処分とは異なり、職員の身分保障を前提としつつも、公務全体の利益を優先する観点から行われる措置と言えます。
したがって、分限処分には懲罰的な意味合いはありません。
分限処分には、いくつかの種類があります。
主なものとしては、職員をその意に反して退職させる「免職」、現在の職より下位の職に任命する「降任」、一定期間職務に従事させない「休職」、そして給与上の職務の等級を下げる「降給」があります。
これらの分限処分は、職員の能力不足や心身の故障、あるいは組織の定数や予算の都合など、法律で定められた事由に該当する場合に、職員の意に反して行われる可能性があります。
特に分限免職は、職員にとって最も重い分限処分となります。
分限処分となる場合の典型的な例としては、職員の勤務実績が著しく良くない場合が挙げられます。
例えば、人事評価が継続して低かったり、割り当てられた業務を適切に遂行できない、あるいは必要な能力や適格性を欠くと判断される場合です。
また、心身の故障により長期にわたり職務の遂行に支障が生じている場合も分限処分の理由となり得ます。
病気による長期療養が必要な場合や、職務に必要な健康状態を維持できないといったケースです。
さらに、職制や定数の改廃、予算の減少に伴い、廃職や過員が生じた場合にも、本人の意思にかかわらず分限免職を含む分限処分が行われることがあります。
分限処分と懲戒処分は、どちらも公務員に対する不利益処分ですが、その目的と性質が大きく異なります。
分限処分は、公務の効率性維持や組織の適正な運営を目的としており、職員の能力不足や心身の故障などを理由に行われます。
一方、懲戒処分は、公務員の非違行為に対する制裁であり、公務における規律と秩序の維持を目的としています。
つまり、分限処分は「仕事ができるかどうか」や「組織の都合」が主な理由となるのに対し、懲戒処分は「服務規律に違反したかどうか」が理由となります。
また、分限免職の場合、懲戒免職とは異なり退職金が支給されるのが一般的です。
公務員が免職処分を受けると、公務員としての身分を失うだけでなく、その後の様々な側面に影響が及びます。
特に、経済的な面や再就職の機会において、大きな影響を受ける可能性があります。
免職の種類(懲戒免職か分限免職か)によっても、その影響の程度は異なります。
免職処分は、退職金に大きな影響を及ぼします。
特に懲戒免職の場合、公務員退職手当法に基づき、退職金の全部または一部が支給されないことが一般的です。
これは、非違行為に対する制裁としての性質が強いためです。
支給される場合でも、大幅に減額されることがほとんどです。
一方、分限免職の場合は、懲戒処分ではないため、原則として退職金は支給されますが、自己都合退職や定年退職の場合と比較して調整が行われる可能性もあります。
退職金は、長年の勤務に対する功労報償としての意味合いも持つため、免職という形で職を離れることによる影響は避けられません。
免職処分が直接的に国民年金や厚生年金の受給額に影響を与えることは原則としてありません。
これらは、これまでの加入期間や納付額に基づいて支給されるためです。
しかし、公務員が加入していた共済年金制度においては、停職以上の懲戒処分を受けた場合に、職域年金相当部分の一部が一定期間支給停止となることがあります。
懲戒免職もこれに含まれるため、年金の一部が支給されなくなる可能性があります。
また、免職によって収入が途絶えることで、その後の年金保険料の納付に影響が出る可能性もゼロではありません。
したがって、免職は年金受給額そのものに直接的な影響は少ないものの、共済年金の一部停止やその後の納付状況によって間接的な影響が生じることがあります。
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この記事の監修者:友永隆太弁護士
杜若経営法律事務所 弁護士
弁護士 友永隆太 (ともなが りゅうた)
【プロフィール】
団体交渉、残業代請求、労働災害や解雇事件等の労働問題について、いずれも使用者側の代理人弁護士として対応にあたっている。主な著書は、「外国人労働者が関係する労組トラブル最前線」(ビジネスガイド2019年8月号・日本法令)、「法律家から学ぶ葬祭業界の「労務問題」」(月刊フューネラルビジネス連載2019年11月~2021年3月・綜合ユニコム)、「教養としての「労働法」入門」(日本実業出版)、「職場のアウティングをめぐる問題と法的責任・社内整備」(ビジネスガイド2021年8月号・日本法令)、「介護事業所のカスハラ対策 書式と社労士実務」(SR第65号・日本法令)、「改訂版 就業規則の変更による労働条件不利益変更の手法と実務」(日本法令)などがある。年間セミナー登壇40回以上。
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