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労働審判は、迅速に個別労使紛争を解決する制度ですから、申立人の人数が多かったり、事案が複雑で3回の期日以内に労働審判を出すことが出来ない場合は、結論を出すことなく労働審判を終了させることになります(労働審判法24条)。
しかし、実際に労働審判法24条により手続きが終了する場合は少数にとどまっています。
目次未払い残業代問題男女差別、労働組合差別、会社分割の無効解雇労働審判には専門的な知識が必要です。
目次
残業代の裁判は1年以上時間がかかることもまれではなく、労働者が提訴をためらうことがありましたが、労働審判においては迅速に解決できる事例が増えたようです。
男女差別、労働組合差別の場合は、仕事の内容が同じかどうか、能力が同じかどうかなど問題になり時間がかかりますので、とても3回以内の期日で終わるものではありません。
また、就業規則の不利益変更も、必要性、不利益の大小、労働組合との交渉など検討することがたくさんあり、事実認定も難しいため、とても3回以内の期日で終わるものではありません。
もっとも、複雑に思える事案であっても、裁判所は第1回期日を開いて、なるべく調停で解決できるよう努力しますので、労働審判になじまないと決め付けず、答弁書はきちんと書かなければなりません。
答弁書の作成が大変であっても、骨子だけでも会社の言い分をまとめる必要があります。
被害を受けたとされる具体的な事実関係について、労使間で主張が真っ向から対立しているケースでは、より細かな事実認定が求められます。
当時の状況を正確に把握するためには、直接の当事者だけでなく、職場の同僚や関係者など多数の証人を尋問しなければならない事態も想定されます。
このような状況下では、原則3回という限られた期日内で慎重に審理を終えることが事実上困難です。
そのため、労働審判委員会の判断によって24条終了の対象となりやすい傾向があります。
労働審判法に基づき、舞台を移して引き続き法的な手続きが行われることになります。
具体的にどのような流れで争いが継続するのかを把握しておく必要があります。
この際、労働審判の手続きで提出されていた申立書が、そのまま訴訟における訴状とみなされます。
そのため、労働者側が改めて訴状を一から作成して裁判所へ提出し直す必要はありません。
法的な扱いとしては、労働審判が申し立てられた時点にさかのぼって訴えの提起があったものとされます。
訴訟移行した後は、非公開で行われていた審判から公開の法廷へと場を移し、より多くの時間をかけて詳細な主張や証拠調べが行われることになります。
必ずしも最初から24条終了を求めるのが唯一の正解とは限りません。
状況に応じた対応策を柔軟に検討する余地があります。
労働審判は専門家を交えて集中的に協議を行うため、会社側が一定の譲歩を示すことで、双方が合意に至る事例も存在します。
長期間にわたる訴訟に発展した場合のコストや業務への支障を考慮すると、和解によって早期に区切りをつけることが合理的な判断となるケースも多々あります。
労働審判での解決が難しいと決めつけず、可能な範囲で合意点を探る姿勢を保つことも一つの方法です。
どのような心証や結論が示されても、当事者のどちらかが必ず異議申立てを行うと予想される状況であれば、労働審判を漫然と続けることは二度手間になりかねません。
和解によるメリットが乏しいと判断される場合は、中途半端に合意を探るのではなく、徹底的に事実関係を争うために24条終了を積極的に求める方針も有効です。
その上で、十分な証拠調べが可能な訴訟の場において、会社の正当性を堂々と主張していく準備を整えます。
使用者側の労務トラブルに取り組んで40年以上。700社以上の顧問先を持ち、数多くの解決実績を持つ法律事務所です。労務問題に関する講演は年間150件を超え、問題社員対応、残業代請求、団体交渉、労働組合対策、ハラスメントなど企業の労務問題に広く対応しております。
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この記事の監修者:向井蘭弁護士

杜若経営法律事務所 弁護士
弁護士 向井蘭(むかい らん)
【プロフィール】
弁護士。
1997年東北大学法学部卒業、2003年弁護士登録(第一東京弁護士会所属)。
同年、狩野祐光法律事務所(現杜若経営法律事務所)に入所。
経営法曹会議会員。
労働法務を専門とし使用者側の労働事件を主に取り扱う事務所に所属。
これまで、過労死訴訟、解雇訴訟、石綿じん肺訴訟。賃金削減(就業規則不利益変更無効)事件、男女差別訴訟、団体交渉拒否・不誠実団体交渉救済申立事件、昇格差別事件(組合間差別)など、主に労働組合対応が必要とされる労働事件に関与。近年、企業法務担当者向けの労働問題に関するセミナー講師を務める他、労働関連誌への執筆も多数
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