懲戒解雇した元従業員から解雇無効の主張及び未払残業代の請求がなされたものの、退職合意をした上で請求金額の7割の減額に成功した事例

業種 運送業
従業員数 300名以上500名未満
解決方法 任意交渉(裁判外の和解)
結果 請求額 解決金
約500万円 約150万円

 

1, お問い合わせ状況

運送業の企業様から、懲戒解雇した元従業員が、懲戒解雇が無効であることを主張し、解雇から現在までの賃金に加えて在職中の未払賃金を請求してきたというご相談をお受けしました。
 

2, 当事務所の対応と解決のポイント

(1)対応方針

元従業員は在職中にトラブルを起こし、会社に損害を与えていたものの、裁判になれば懲戒解雇が無効と判断される可能性も十分にあり得る状況でした。
そこで、企業様とご相談し、元従業員の復職の用意をしていただいた上、①懲戒解雇を撤回した上で復職してもらい、元々の(トラブルを発生させた)業務ではない業務に従事してもらう案と、②懲戒解雇を撤回した上で合意退職をする
案を従業員側に提示することとしました。
 

(2)解決内容

元従業員からの請求額は約500万円でしたが、元従業員が復職を拒否し、減額しての合意退職に応じたことにより、請求額より7割を減額した約150万円での和解解決となりました。
 

(3)解決のポイント

懲戒解雇の有効性のハードルは非常に高く、容易には満たされません。万が一裁判で懲戒解雇が無効と判断された場合には、会社は解雇日以降の未払賃金を支払う義務を負います。そのため、懲戒解雇の有効性に関する紛争が長期化した場合のリスクは非常に高く、スピード解決が求められます。
 
懲戒解雇の有効性が争われた場合であっても、元従業員自身は復職を望んでいない場合があります。その場合、合意退職に切り替えて金銭解決を図ることで、スピード解決に繋がることも多いです。
本件はまさにそのような事案であったこともあり、退職の合意をした上で早期の金銭解決となり、解決金額も請求金額から7割の減額とすることに成功しました。
 

3, 残業代請求・解雇事件に関する解決事例とその他参考情報

残業代請求・解雇事件に関する解決事例の一部

・会社幹部を解雇したところ解雇無効と合わせ未払い残業代請求訴訟を提起されたものの、解雇の有効性及び管理監督者性に関する主張・立証が功を奏して、解雇が有効であること及び管理監督者であることを前提にした和解に成功した事例

・普通解雇をした元従業員から、未払残業代および解雇に伴う慰謝料等の支払いを請求されたものの、労働実態に関する反論により、請求金額の8割以上の大幅な減額に成功した事例

・残業代請求とともに不当解雇がなされたとして争われたものの、任意交渉にて早期解決が図られた事例

 

 

4、労働問題には専門的な知識が必要です。まずは弁護士にご相談ください。

使用者側の労務トラブルに取り組んで40年以上。700社以上の顧問先を持ち、数多くの解決実績を持つ法律事務所です。労務問題に関する講演は年間150件を超え、問題従業員対応、残業代請求、団体交渉、労働組合対策、ハラスメントなど企業の労務問題に広く対応しております。
 
今回ご紹介した企業様からは裁判終了後も当事務所との顧問契約を継続していただいており、賃金制度設計の見直しや日頃の労務管理についてのアドバイスをさせていただいております。労働紛争は目の前の紛争事件の解決のみではなく、紛争が解決した後に同じような問題が起こらないようにフォローすることも重要になります。
 
まずはお気軽にお電話やメールでご相談ください。

 


 

お電話・メールで
ご相談お待ちしております。

  • ※セカンドオピニオンも対応可能でございます。
  • ※使用者側からのご相談のみ受け付けております。労働者側からのご相談は受け付けておりません。
  • ※お問合せ多数で電話が繋がらない場合でも、問い合わせフォームからご連絡いただければ、速やかに折り返しお電話させていただきます。

 
 

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当事務所は会社側の労務問題について、執筆活動、Podcast、YouTubeやニュースレターなど積極的に情報発信しております。
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この記事を執筆した弁護士

釋 英導 (しゃく えいどう)

杜若経営法律事務所 弁護士
釋英導弁護士 (しゃく えいどう)

弁護士プロフィール:
弁護士。

北海道出身。慶應義塾大学法科大学院修了。2022年弁護士登録(第一東京弁護士会)。経営法曹会議、宗教法制研究会会員。 企業の人事労務関係を専門分野とし、個々の企業に合わせ専門的かつ実務に即したアドバイスを提供する。これまで未払残業代請求訴訟やハラスメント調査、団体交渉など、多数の労働事件について使用者側の代理人弁護士として幅広く対応。 自らは寺院の出身であり、宗教法人法務を探究する宗教法制研究会にも所属している。