地盤改良工事中の事故により怪我を負った従業員から、高額な損害賠償請求をされたが、任意交渉で請求額の約4分の1の金額での和解に成功した事例

業種 建築・土木
従業員数 400名以上500名未満
解決方法 任意交渉
結果 請求額 解決金
約4000万円 約1000万円

 

1, お問い合わせ状況

従業員が地盤改良工事中に杭打機に挟まれ怪我を負ったため、会社は労災申請を行い、労働基準監督署から労災認定を受けました。その後、当該従業員は退職しましたが、退職後、会社に対し、会社の安全配慮義務が原因で怪我を負ったと主張して代理人弁護士を通じて会社に対し損害賠償請求を行いました。
 

2, 当事務所の対応と解決のポイント

(1)任意交渉段階での対応方針

当該従業員の事故状況は、杭打機のロッド(杭)が落下し下にいた当該従業員が挟まれ怪我をしたとのことでした。しかし、詳しく事故状況のヒアリングを行なったところ、エンジンが作動していた杭打機に自ら手を入れていたり、安全装置の装着を当該従業員が怠っていたりと当該従業員による過失も相まって事故が発生したことが分かりました
 
そのため、また、会社の安全配慮義務違反が争われた過去の裁判例の中から、本件と事故状況が類似する事案を調査し、その裁判例に基づいて、仮に会社に安全配慮義務が認められる場合でも、原告側にも7割の過失が認められることを主張しました。
 

(2)解決内容

当該労働者の代理人からの請求が約4000万円の請求であったのに対し、最終的には約3000万円の減額に成功し、約1000万円での解決となりました。
 

(3)解決のポイント

従業員の労働災害について、安全配慮義務違反を理由とする損害賠償請求は、当該従業員が重傷等を負った場合には請求額が高額になることがあります。
 しかし、民法上には、「過失相殺」という概念があり、被害者側にも過失がある場合には、その過失も考慮して、加害者及び被害者が損害を公平に分担して負担をするという趣旨から導かれたものになります。
使用者側としては、被災した従業員にも過失があるとして、過失相殺による損害賠償額の減額を主張することが有効です。
 
実際の業務中の事故状況や被災した従業員の行動などを詳しく精査をすると、被災した従業員側にも安全面について確認すべきことを確認せずに事故が発生した場合や事前に指導されていた適切な方法に基づく機械操作をしなかったために事故が発生した場合など過失が認められる事例があります。
 そして、本件のように被災した従業員が特に危険な機械の操作・作業において安全装置を使用せず、その他にも基本的な作業上の安全確認を怠った場合などは、過去の裁判例でも被災した従業員側の過失の比率が高く認定されている事例があります。
 
本件においても、杭打機という危険な機械の操作にあたって、当該従業員が安全装置の装着を怠っていたり、エンジンの作動している杭打機に自ら手を入れていたりと基本的な作業上の安全確認を従業員が怠っており、裁判になっても過失相殺による減額が見込まれる事案でした。
 そのため、過失相殺の点を重点的に反論を行なったところ、大幅に減額した内容で和解解決となりました。
 

3, 残業代請求・解雇事件に関する解決事例とその他参考情報

残業代請求・解雇事件に関する解決事例の一部

・事業所内での事故について、会社の安全配慮義務違反を主張され損害賠償請求訴訟を提起されたものの、事故態様に関する反論や立証によって大幅な減額に成功した事例

・労災認定を受けた元従業員と和解締結できた事例

・重い荷物の運搬により腰を負傷したなどとして損害賠償請求がされたが、請求額を大幅に減額出来た事例

 

 

4、労働問題には専門的な知識が必要です。まずは弁護士にご相談ください。

使用者側の労務トラブルに取り組んで40年以上。700社以上の顧問先を持ち、数多くの解決実績を持つ法律事務所です。労務問題に関する講演は年間150件を超え、問題従業員対応、残業代請求、団体交渉、労働組合対策、ハラスメントなど企業の労務問題に広く対応しております。
 
今回ご紹介した企業様からは裁判終了後も当事務所との顧問契約を継続していただいており、賃金制度設計の見直しや日頃の労務管理についてのアドバイスをさせていただいております。労働紛争は目の前の紛争事件の解決のみではなく、紛争が解決した後に同じような問題が起こらないようにフォローすることも重要になります。
 
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この記事を執筆した弁護士

佐藤浩樹 (さとう ひろき)

杜若経営法律事務所 弁護士
佐藤浩樹弁護士 (さとう ひろき)

弁護士プロフィール:
弁護士。

群馬県出身。慶應義塾大学法科大学院修了。2022年弁護士登録(第一東京弁護士会)。経営法曹会議会員。 企業の人事労務関係を専門分野とし、個々の企業に合わせ専門的かつ実務に即したアドバイスを提供する。これまで解雇訴訟や残業代請求訴訟、団体交渉対応など、労働事件について使用者側の代理人弁護士として幅広く対応。