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法人・事業主様専用目次
| 業種 | 製造業 | |
| 従業員数 | 約100名 | |
| 解決方法 | 労働基準監督署への意見書提出/和解(訴訟外の交渉) | |
| 請求内容 | 労災保険給付(療養補償給付等)の請求、年次有給休暇の買取り・治療費の補填等の要求 | |
| 結果 | 解決金 | |
| 数十万円 | ||
長年勤務していた従業員が、上司である管理職から強い口調で叱責を受けたことなどをパワーハラスメントであると主張し、適応障害・うつ病の診断書を提出して休職しました。同従業員は、休職に先立ち、人事労務担当者に対し「傷病手当金よりも労災の方が金額が大きいので労災申請をする」旨を述べており、その後、実際に労働基準監督署へ労災(療養補償給付)を申請しました。
会社としては、指摘された言動は業務上必要な指導の範囲を超えるものではないと考えていたものの、事業主証明を行うべきか、また休職・復職対応をどのように進めるべきかについて判断に迷い、当事務所にご相談いただきました。
まず、事業主証明を行わない方針を採ったうえで、厚生労働省が公表している「心理的負荷による精神障害の認定基準」に沿った意見書を作成しました。抽象的に「ハラスメントはなかった」と述べるのではなく、本人が主張する出来事を一つひとつ取り上げ、別表1「業務による心理的負荷評価表」のどの具体的出来事に当たるかを整理したうえで、いずれも心理的負荷の程度は「弱」にとどまることを論証しました。
あわせて、発症前1か月ないし4か月のいずれの期間においても時間外労働が月6時間に満たないことを、本人自身が打刻した出勤簿及びPCログにより客観的に示し、過重労働が存在しないことも主張しました。意見書には、組織図・座席表・就業規則・人事考課表・関係者の陳述書・当事者間のやり取りの反訳等、20点を超える裏付け資料を添付し、労働基準監督署からの追加資料の求めにも速やかに対応しました。
労災手続と並行して、休職期間満了に向けた対応についても継続的に助言を行いました。本人からは「元の職場には戻れない」として他部門でのリモート勤務等の希望が出されましたが、主治医の診断内容と現実に提供可能な業務を突き合わせ、会社として対応可能な範囲を書面で明確にしたうえで、原職復帰が困難であることを整理しました。
その後、本人から退職を前提とする条件提示の申入れがあったため、会社から本人へ送付するメールの文案を一通ずつ確認し、金額交渉の進め方、離職理由の設定、合意書の条項設計まで一貫してサポートしました。
労働基準監督署は労災を不支給とする処分を行いました。本人はこれに対して審査請求を行いましたが、退職条件の協議と一体で解決する方針を採り、最終的に、①退職日、②解決金数十万円、③労災に関する審査請求の取下げ及び取下書の写しの提出、④清算条項、⑤請求権不行使条項(役員・従業員個人に対する請求や労働基準監督署への申告を含む)等を盛り込んだ合意書を締結し、円満に解決しました。
本人からは当初「会社都合退職」としての処理を求められていましたが、離職理由は「私傷病による退職(正当な理由のある自己都合退職)」として整理し、助成金等への影響を含む会社側のリスクを回避しています。解決金の水準も、未消化の年次有給休暇相当額に給与1か月分程度を加えた金額にとどめ、会社が法的責任を認めない形での合意としました。
使用者側の労務トラブルに取り組んで50年以上。700社以上の顧問先を持ち、数多くの解決実績を持つ法律事務所です。労務問題に関する講演は年間150件を超え、問題従業員対応、残業代請求、団体交渉、労働組合対策、ハラスメントなど企業の労務問題に広く対応しております。
今回ご紹介した企業様からは裁判終了後も当事務所との顧問契約を継続していただいており、賃金制度設計の見直しや日頃の労務管理についてのアドバイスをさせていただいております。労働紛争は目の前の紛争事件の解決のみではなく、紛争が解決した後に同じような問題が起こらないようにフォローすることも重要になります。
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