労働局対応・整理解雇

(1) 労働局に人員削減案を提出して、もし万が一認められなかった場合、再申請はできるか?

 

明確な法的根拠は無いが、再申請が認められない可能性があるため、慎重に準備をする必要がある。

 

労働局に対する事前の根回しが重要となり、労働局の事前の内諾が必要となる。場合によっては、電話などで匿名相談をして見通しを確認することもある。

 

 

(2) 解雇はする予定はない、しかし収益改善のため、何としてでも15名程度(全体従業員総数の10分の1未満)削減したい。退職勧奨を断られることも想定して、20名以上に退職勧奨を行いたい。このような場合も労働局に人員削減案を報告したほうがよいか?

 

 

削減予定人数が労働契約法第41条の人数要件に達していない場合、労働局に報告する必要はない。この場合、一般的に同40条第3号を根拠に従業員と交渉することが多い。

 

また、同第40条第3号と同41条第1項第4号はともに「労働契約締結時に依拠する客観的状況に重大変化が生じること」を実体要件としている。

 

本来は異なる条文に定められている実体要件であるため、違う意味をもつとも考えられるが、実際に判例上及び労働局の解釈によれば、両者の区別ははっきりとしない。

 

そのため、実務では両者は同じ意味をもつものとし、単なる人数要件と手続き要件が違うと考えられている。従い、人数は多めにリストアップし、同41条の人数要件に達した場合、同41条の手続き要件を履行しなければならないことになってしまう(同41条は同40条より手続きが複雑なのでなるべく避けたい)。

 

但し、実務では、同第41条によるリストラ申請について、政府から許可を取得することが非常に難しい場合もあるため、許可を取得できない場合、同41条の人数要件に達しても、合意解除の方式で人員削減を行う方案も考えられる。