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労働組合との労使関係の見直し

既に社内に労働組合がある場合、会社と労働組合間で様々なルールが存在するかと思われます。
しかしながら、そのルールが本当に会社の実情に応じたものであるのか、トラブルの元になる可能性がないのか、トラブル予防の観点から、注意すべき点を述べたいと思います。

 

従業員の組合活動について

便宜供与の取り決めがないにもかかわらず、従業員が所定労働時間内に組合活動を行っていませんか?便宜供与の取り決めがないにもかかわらず、所定労働時間内の組合活動について賃金を支払っていませんか?

労働組合員といえども、会社に労務を提供すべき義務がありますので、会社と労働組合で便宜供与の取り決めをしない限り、所定労働時間内に労働組合活動をしてはいけません。会社が、そのような行為を黙認してきたのであれば、専門家と相談の上、労働組合と協議されることをお勧めします。


労働組合の掲示板以外に、会社の許可なく労働組合が会社の施設や設備にビラなどを貼っていませんか?

労働組合は、特別な事情がなければ、会社の許可なく、労働組合活動に会社の施設を利用してはいけませんし、ビラも貼ってはいけません。会社が、そのような行為を黙認してきたのであれば、専門家と相談の上で、あらためて労働組合と話し合われてはいかがでしょうか。場合によっては、労働組合の掲示板を設けることで、会社の施設や設備にビラを貼らないという合意をすることも可能です。

会社の施設内に、会社の許可なく組合旗の掲揚などがなされていませんか?
労働組合は、特別な事情がなければ、会社の許可なく、労働組合活動に会社の施設を利用してはいけませんし、組合旗の掲揚をしてはいけません。専門家と相談の上、労働組合と協議されることをお勧めします。

 

 

労働協約について

 労働組合の同意なく労働組合員を解雇できないとの労働協約がありませんか?

労働組合の同意がなければ労働組合員の解雇が出来ないという労働協約を締結している場合があります。そもそも、労働者を解雇するのに労働組合の同意はいりません。このような労働協約については、労働組合に労働協約を合意解約したいと申し入れてください。団体交渉を十分に重ねても、労働組合が労働協約の合意解約に納得しない場合は、労働組合法の手続きにもとづき、労働協約を解約してください。事前に専門家に相談してください。

 

労働協約は内容毎に別々の独立した協約になっていますか?

労働組合法、労働判例上、労働協約を解約する場合は、一部解約ではなくて全部解約をした方がその効力を認められやすいので、内容毎に別々の労働協約を締結した方が、解約する上で無用な混乱や紛争を防げます。例えば、掲示板の設置、組合事務所の貸与などもまとめて一つの書面で労働協約を締結するのではなく、別々の労働協約を締結した方がよいです。

 

便宜供与の文面について

無償で貸与していますか?
有償で組合事務所や掲示板を貸与しますと、法律上は賃貸借となり、賃借人である労働組合が強力に保護されてしまいます。是非無償で貸与してください

組合員が社内にいなくなったとき組合事務所や掲示板を撤去するという規定がありますか?

便宜供与の協定を結ぶ場合は、労働組合と会社が協定当事者になると思いますが、組合員が社内にいなくなったときに速やかに掲示板や労働組合事務所を撤去できるよう事前に定めておきましょう


会社の業務上の都合により、組合事務所や掲示板の場所を変更したりすることができるとの規定がありますか?

便宜供与を定めた当初は問題がなくとも、その後時間が経過すると、会社の経営状況によっては、組合事務所や掲示板の場所を変更する必要が生じてくるかと思います(土地の売却、会社施設のレイアウトの変更など)。その際に、円滑に組合事務所や掲示板の場所を変更できるように事前に定めておきましょう。


掲示板の場所、大きさを定めていますか?掲示物は中傷、誹謗、侮辱、事実に反する記載をしないとの規定を定めていますか?

あくまでも掲示板は会社施設を利用してのものですので、会社の業務上の都合や会社の職場秩序維持の観点から掲示板の利用についても制限を設けるべきです


協定に違反した場合は、掲示板や組合事務所の使用を禁止する、撤去を労働組合に求める、会社が撤去する旨の規定がありますか?

協定を守らなかった場合組合事務所や掲示板を撤去するとの規定をもうけなければ、協定で定めたことの効力が半減してしまいます

 

協定の有効期間を定め、有効期間の1ヶ月前までに協定の変更や廃棄(協定不更新)の申し出が出来ることを定めましょう?

業務上の都合により、これ以上、これまでの便宜供与をすることが出来ないのであれば、事前の申し出により協定が終了するように規定を定めておきましょう

 

労働組合員とその他の従業員との取り扱いについて

労働組合員だからといって、懲戒処分を躊躇したり、他の従業員との扱いに差をもうけていませんか?

労働組合員が職場内で職場秩序を乱す行為をしたのであれば、きちんと就業規則などの手続きにもとづき懲戒処分をするべきです。それは不当労働行為ではありません。
ただし、労働組合員以外の会社従業員が労働組合員と同じ職場秩序を乱す行為をしたのであれば、その場合もきちんと懲戒処分をしてください。労働組合員と他の労働組合員以外の従業員との処遇に差をもうけてはいけません。

団体交渉の進め方について

団体交渉の出席者数、団体交渉の時間は適正でしょうか?

 私の知っている事例で、会社側の出席者が2、3名で労働組合側の出席者が十数名で、かつ会社側の出席者を取り囲む形で団体交渉が行われているということがありました。
このような形態で団体交渉を行っているのであれば、誰が何を言ったのかが把握できなくなりますし、心理的に会社側の出席者が圧迫を受ける可能性があります。
また、深夜に及ぶ団体交渉が状態になっていたり、労働組合と合意しなければ事実上団体交渉が終了できなかったりすることなども、正常な団体交渉とはいえません。早急に労働組合にルールの変更を申し入れるべきです


団体交渉の協議内容について

労働組合の賃金ベースアップや賞与の要求金額を毎年、そのまま受け入れなければならないと考えていませんか?
 もちろん、十分な労使協議がなされた後に労働組合の要求を受け入れるのは一向にかまいませんが、中には、会社の経営状況が苦しいにもかかわらず、労働組合の要求を十分な協議もせず受け入れている会社もあります。
労働組合法が労使双方の十分な協議を要求していますが、使用者が労働組合の要求をすべて受け入れなければならないとは定めていません。
主張すべきことは主張しましょう。労働組合からは様々な抗議があるかもしれませんが、出しうる資料にもとづいて十分な説明をしましょう


 

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