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第12回 平成21年9月28日 「便宜供与②」

組合事務所について

使用者が、労働組合に組合事務所を無償で貸与することがある。

 

文例は以下のとおりだが、組合事務所で問題になるのが、組合事務所の明け渡しである。

 

裁判例は、組合事務所の貸与契約(協定)に期間の定めがない場合は、使用者に組合事務所の明け渡しを求める具体的必要性が存在するか(組合事務所の明け渡しが組合弱体化を目的とした不当労働行為か)、代替の組合事務所を使用者が用意しているか否か等を考慮して、使用者に正当事由が認められれば、組合事務所の貸与契約(協定)の解除を認めている。


言い方を変えれば、一度使用者が組合事務所を貸与すれば、以後使用者は、具体的な必要性が存在し、かつ代替事務所を用意するなどしなければ明け渡しを求めることができなくなる可能性がある。

 

もちろん、組合が組合事務所の貸与契約(協定)の合意解除事由に該当する行為を行った場合は、使用者は組合事務所の貸与契約(協定)を解除することができる。 

組合事務所の貸与および利用に関する協定

株式会社●(以下、「会社」という)と、●労働組合(以下、「組合」という)とは、労働組合法の趣旨に従って円満な労使関係を維持する目的で、会社は組合に対し、次のとおり、組合事務所を貸与する。

第1条 会社は組合に対しその組合事務所として、会社の●の●の一部を無償で貸与する。
※無償で貸与することがポイントである。有償で貸与した場合は、組合事務所の貸与の法的性格が賃貸借となり、借り主である労働組合に強い権限を認めることになる。そのため、通常使用者が労働組合に組合事務所を貸与する場合は、無償で貸与する。

第2条 
1 会社は机、椅子各2個を組合に無償で貸与する。その他の什器、備品は、組合が自己の費用でこれを備えつける。
2 組合は組合事務所の使用に伴う光熱費その他一切の費用を負担し、当該使用月の費用を翌月末日までに現金をもって会社に支払うものとする。
※組合事務所を無償で貸与するとしても、備品類等まで会社が無償で貸与する必要はない。光熱費についても労働組合が負担することとしても何ら問題はない。

第3条 組合はこの使用権を譲渡、転貸してはならない。
※いつの間にか他の労働組合・地域ユニオンなどが組合事務所を使用している場合もあるので、この条項を入れておくべきである。

第4条 
1 組合は善良な管理者の注意をもって、衛生、防犯、防災等貸与室の維持管理に努めなければならない。
2 組合は貸与室に消火器を備え置きするとともに、火元責任者を決め、会社に通知する。
3 組合は貸与室に寝泊まりや、煮炊きしない。
4 組合は貸与室に衛生、防災上等好ましくない物を持ち込まない。

第5条 会社は衛生、防犯、防災、救護、建物保全のため必要ある場合、組合の同意を得て貸与室に立ち入ることができる。
※衛生、防犯、防災、救護、建物保全の目的以外に、労働組合の許可なく組合事務所に立ち入った場合は、支配介入にあたる可能性がある。

第6条 
1 貸与室、その付属物件その他を毀損した場合は、組合は会社に対し直ちにその旨通知しなければならない。
2 会社はその被った損害の賠償を、組合に求めることができる。

第7条 組合が貸与室を使用する必要がなくなった場合は、組合は直ちに会社に返還する。

第8条 組合がこの契約に違反した場合は、会社は組合にその旨通告し、この協定を解除することができる。

第9条 会社は●としての使用を再開するなど、正当な理由により、組合に相当の期間の予告をもって返還を求めることができる。
※このような条項を設けて、かつ具体的な組合事務所を明け渡させる必要性が存在しても、他に組合事務所を貸与するなどの代替措置をとらな
いと組合事務所の明け渡しが認められない場合がある。

第10条 
1 この協定の有効期間は、双方調印の日から1年間とし、期間満了の1ヶ月前までに、会社、組合双方、またはいずれか一方から書面による変更協議、または廃棄の申し出が内場合は、更に1年間延長するものとし、以後も同様とする。
2 前項の書面による変更協議の申し出があった場合は、会社および組合はこれに応じ、誠意をもって協議しなければならない。
3 前項の場合は、第1項の期間満了後2ヶ月間は本協定の効力が継続するものとする。
                                                   以上

                                         平成  年  月  日

                                               株式会社●
                                              代表取締役●

                                               ●労働組合
                                              執行委員長●

 

 

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