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職種や地位を特定しての採用(7月23日掲載分)

 佐藤物流は、近年売上高の落ち込みを回復するために、営業部長を雇うことにしました。
 営業部長の募集に、数名の応募がありました。その中に高橋さんという方がいました。
 高橋さんは、採用時の面接で、「私は、過去数十年にわたり営業職の経験があり、佐藤物流の売上をあげる自身がある」と述べました。佐藤物流の佐藤社長は、高橋さんに期待し、高橋さんを営業部長として雇うことにしました。

 佐藤物流が、高橋さんを営業部長として雇う上で注意すべき点は何でしょうか?

 会社が、新卒採用で特に職種を限定しないで採用した従業員を能力不足を理由に解雇した場合、裁判所は解雇をなかなか有効と認めません。裁判所は、職種を特定しないで採用した従業員については、仕事が出来るようになるように会社が従業員を配転、教育するべきであると考えています。
 一方、会社が、中途採用者で職種や地位を特定して採用した従業員を能力不足で解雇した場合、裁判所は、契約内容次第では比較的緩やかに解雇を有効であると判断する可能性があります。それは新卒者と異なり、会社は、特定の仕事が出来ることを前提に雇用契約を結んでいるからです。従業員が約束した仕事が出来ない以上、従業員は約束した債務を履行していないわけですから、契約を解除(解雇)されてもやむをえないわけです。
 しかしながら、現実の裁判では、雇用契約書を交わしていないと、言った、言わないの話になり、会社と中途採用者がどのように内容を特定して契約を結んだのかが分からなくなることが多いのです。

 そこで、入社時に雇用契約書を作成する必要があります。

 中途入社者で特定の職種の者を雇う場合の雇用契約書のポイントは、

 ●営業部長や製造部長などの地位を特定する
 ●労働契約書に会社が望む仕事の内容、成果を記載しておく
  (具体的であるほうがよいので、出来る限り具体的に記載した方がよいと思います)
 ●会社が望む仕事の内容、成果を達成できなければ、会社が解雇などの処分を行う
  との文言を入れておく
 ●中途入社者で、即戦力として結果を求め、それが駄目であればやめてほしい場合は、
  その地位にふさわしい賃金処遇や待遇を記載する(また、裁判所は中途採用者で、
  比較的高い賃金をもらい、かつ仕事が出来ない従業員の解雇を、有効と判断することが
  多いです。要は、それだけの賃金をもらっていたのだから、それだけの仕事をしなければ
  ならないと裁判所も考えているようです。)
 

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