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「偽装請負」とは何か(2007年6月11日掲載分)

 佐藤さんは、佐藤運輸の社長です。佐藤運輸は、請負業者ですが、ある荷主の倉庫で仕分け、入出庫業務を請け負っています。佐藤運輸の売上のほとんどは大口の荷主からの倉庫の仕分け、入出庫請負業務によるものです。

 ある日、佐藤さんは、営業担当者から、荷主の倉庫に労働局が調査に来たという報告を受けました。
 労働局は、佐藤運輸の請負形態が、いわゆる正規の請負ではない偽装請負であると指摘しました。労働局は、佐藤運輸に請負ではなく、労働者派遣に切り替えなさいとの是正勧告をしました。実は、佐藤運輸は、荷主から業務を直接請け負っていたのではなく、荷主が大手運輸に業務を請け負わせ、大手運輸から業務を請け負っていたからです。いわば、佐藤運輸は二次下請だったのです。
 佐藤さんは、このままでは会社がつぶれてしまうとの危機感を持ちました。労働者派遣では、二重派遣が認められていないため、このままでは大手運輸が佐藤運輸との請負契約を打ち切ってしまう可能性が高かったからです。
 佐藤さんは、自分の顔から血の気が引いていくのがわかりました。

 偽装請負とは何を指すのでしょうか?

 請負というのは、他人の注文を受けて他人からは独立して、他人ではなく自己の指揮命令下のもとで自己の雇用する従業員を用い仕事を完成させる形態をいいます。
 一方、労働者派遣というのは、他人の指揮命令下でその指示に従って労務を提供することをいいます。
 少し専門用語が入って難しくなりましたが、要するに請負と労働者派遣の一番の大きな違いは、派遣先(発注者)が派遣元(請負業者)の従業員に対し直接指示命令をするかどうかです。

 労働局などが偽装請負であると認定した場合は、佐藤運輸は、実質は労働者派遣事業を行っているにもかかわらず、労働者派遣事業としての許可あるいは届出を行っていないので、違法な労働者派遣となり、労働者派遣法に基づいて事業改善命令、事業停止命令を受ける可能性もあります。
 また、大手運輸は、労働者供給事業の許可を得ずに、自己の雇用していない労働者を派遣先に送り込んでいるので、違法な労働者供給事業を行っていることになり、荷主、大手運輸共に職業安定法違反で処罰されます。

 次号では、偽装請負について、どのように対策を取ればいいのか検討することとします。



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