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過労運転の定義(2007年5月14日号掲載)

 物流会社A社社長(配送責任者)Bさんは、警察から以下のA社従業員のCさんの交通事故の件で警察署に出頭するように言われました。A社従業員のCさんの交通事故とは、Cさんが、高速道路で居眠り運転をして、前方の車に衝突し、前方の車の運転手を死亡させ、Cさん自身も亡くなったというものです。Bさんは、すでにCさんの交通事故の件で何度か取り調べを受けていたので、また今回も取り調べを受けるのかと思い警察署に出頭したところ、警察は、Bさんを過労運転下命(道路交通法違反)の容疑で逮捕しました。

読者の皆様もご存じのとおり、物流会社が物流会社の従業員に過労運転をさせ交通事故を起こしたために、物流会社の配送責任者が逮捕されるという事件が起こりました。

現在、物流業界は、燃料高、荷主からの受注単価の引き下げ、人手不足などから運転手一人あたりの労働時間が以前にも増して増えている傾向があります。過労運転による逮捕という事例も決して他人事ではありません。

まず、「過労運転」とはどのような行為をさすのでしょうか。道路交通法(第66条、第118条第1項第3号の3)は、過労運転とは、「車両の運転者が」「過労により正常な運転ができないおそれがある状態で車両を運転する行為」をさすと定めています。法定刑は、1年以下の懲役、30万円以下の罰金です。

しかし、「過労」が具体的に何を指すのか不明です。厚生労働省は、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」という告示を出しています。その中には以下の定めがあります。

・運転手の拘束時間(運転時間、手待ち時間、休憩時間を含んだもの)は、1か月293時間を超えてはならない(ただし、労使協定があるときは、320時間まで延長することが出来る)。
 ・一日の拘束時間は、13時間を超えてはならず、拘束時間を延長する場合であっても、最大拘束時間は16時間を超えてはならない。
・勤務終了後、継続8時間以上の休息期間を与えなければならない
・運転時間は、2日を平均し1日あたり9時間、2週間を平均し1週間あたり44時間を超えないものとする。
 ・連続運転時間は、4時間を超えないものとする。

いくつかの裁判例をみると、裁判所は、具体的な事例が「過労運転」にあたるか否かは、以上の「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」を重視して判断しています。中小物流事業者が以上の基準を全て常に遵守するには厳しい内容となっております。次号、また詳しく説明します。



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