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7 ストライキ中の解雇の可否

前号で厦門市の労働仲裁例を紹介したが、本号では実務上のストライキ中の解雇の可否について検討する。

 

(1) ストライキをしたというだけでは解雇はできない。

前号でも記載したとおり、ストライキに参加したというだけでは解雇はできない。積極的に生産活動を妨害したり、器物損壊、会社経営者・管理職に暴力を振るう・脅迫的言動を行い、ストライキを扇動するなどの行為を行うなどの事情が必要である。

 

(2) 大人数の解雇は避けたほうが良い。

事態を打開するためにリスクを冒してでも解雇を行う必要が出てくる場合がある。
このような場合でも大人数の解雇は避けたほうが良い。

現場が混乱し、却って生産再開が遠のく可能性があるからである。やむをえず解雇をする場合でも、ストライキのリーダー、首謀者に限定して解雇を行うべきである。
解雇を行うタイミングは難しいが、心ある従業員が解雇はやむを得ないと内心感じてもらうまでは粘り強く交渉を行うべきである。

 

(3) 客観的な物証の用意

ビデオ、写真、メール、音声等の物証が無ければ、解雇理由を立証できない。
常に客観的な記録を残すように心がける必要がある。ストライキが起きる際に現場が混乱している状態であるが、重要な人事データ(労働契約、通勤記録など)や財務データをなくさないように証拠収集の一環として常に心がける必要がある。

 

(4) 就業規則の記載を確認する

多くの場合、就業規則の重大違反を理由に解雇することになると思われる。就業規則の条項を確認する必要がある。直接当てはまる条項が無くとも、どこかに類似の条項がある場合が多い。この場合、類似の条項を解釈した上で適用する必要になる。

 

(5) 事前に何度かチャンスを与える

いきなり解雇するのではなく、何回か警告書を渡して(もしくは公告して)、職場復帰のチャンスを与えた上で解雇するべきである。就業規則上も懲戒処分として警告書交付を予定している場合が多い。

 

(6) 政府部門の担当者に解雇の方針、解雇理由を説明し、理解を求める

「第2」「6」で述べたとおり、民間企業が解雇した後の混乱を収めるのは難しい。強制力の行使も含め、ストライキ期間中の解雇については政府部門の担当者に解雇の方針、理由を説明し理解を求める必要がある。

 

(7) 公告による警告を行う

幾度にわたり交渉しても合意に至る見込みが無い場合、事態を打開するために、従業員が職場に復帰することを前提として、会社の回答書兼警告書を食堂に張り出すなどの方法で公告する場合がある。
回答書兼警告書には、従業員側の要求に対する会社の回答と期限までに復帰しない従業員に対して、会社が法律・就業規則に従い、労働契約を解除することを明確に書く。
 
残念ながら、話し合い、平和的な説得のみで解決する事案ばかりではない。力で場面を切り開くことも必要な場合が多い。ノーワーク・ノーペイを宣言しつつ、かつ職場復帰した場合は、ストライキ期間中も賃金を支払うことを付け加える場合もある。

 

(8) 工会への通知

企業に工会がある場合、事前に解雇理由を工会に郵送し、工会がない場合、企業の上級工会に解雇理由を郵送する。
労働契約法第43条で求められている手続きであり、混乱時に忘れやすいので気をつける必要がある。

 

(9) 解雇通知

書面にて従業員に解雇通知を手渡す(受領拒否をする場合は録音をして音読をする)、又は会社に登録している住所に郵送する。

 

 

中国におけるストライキ対応 記事一覧

現在、日本国内ではストライキは極めて珍しいですが、中国では決して珍しいとは言えません。
中国で実際に日系企業のストライキ対応を行なっている経験を踏まえて、ストライキが発生した場合の対応と、予防方法について記載しましたので、ご参考ください。
 

ストライキが発生した場合の対応

 

ストライキに対する備え



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