労務ネット labor-management.net│団体交渉、労働組合対策、使用者側の労務問題を弁護士が解決!団体交渉、労働組合対策なら杜若経営法律事務所へ

  • HOME
  • 団体交渉|社内
  • 団体交渉|ユニオン
  • 解決事例
  • お客様の声
  • 労働組合問題
  • セミナー・講演
  • 執筆・出版
  • 事務所紹介

採用・内定・試用期間をめぐるグレーゾーン

kishida002.png  
「中途採用で一定の年齢以下の応募者しか事実上採用していないが、それは違法になるのか?」「採用前に健康診断の結果やメンタル面での病歴を聞くのは、個人保護法違反になるのか?」といった質問が、ここ近年急激に増えています。
 
特に個人保護法が施行されてからというもの、従業員の健康状態や病歴に関する調査に二の足を踏む企業が増えてきています。
 
それと同時に、調査を先送りにしたがために起きるトラブルの数もまた同じように増えているのです。
確かに年齢、性別、病歴や健康状態などは採用に関する「グレーゾーン」。とてもデリケートな問題です。しかしながら、実際にトラブルに発展するケースを見てみると、風評や誤解によってトラブルを防ぐチャンスを見逃しているケースも珍しくないのです。人のウワサや「○○は違法らしい」という情報に惑わされることなく、この機会に正しい知識を身につけて頂きたいという思いで、身近な問題として感じて頂けるように、Q&A形式で書かせて頂きました。
 
※以下は、向井蘭弁護士が執筆し、ビジネスガイド2011年11月号に掲載された記事を再録したものです。

覚えておきたい4つの法律と禁止事項

そもそも会社が「いつ、誰を、どのような条件で雇うか」は、原則として自由です。憲法22条、29条等における「営業の自由」などが保障されているためです(昭和48年12月12日三菱樹脂事件最高裁判決)。とはいえ、4つの法律によって禁止事項が定められています。いずれもみなさんご存じだと思いますが、「男女雇用機会均等法」、「障害者雇用促進法」、「雇用対策法」そして「労働組合法」です。
 
●男女雇用機会均等法
この法律によって、性別を理由とした募集・採用差別が禁止されました。具体的には、募集・採用に当たって身長・体重・体力要件をつけること、コース別雇用制の総合職の募集・採用にあたって転居を伴う転勤要件をつけること等を禁止しています。
 
●障害者雇用促進法
事業主に対して一定比率以上の障害者雇用を義務づける法律です。
 
●雇用対策法
雇用対策法は募集・採用についての年齢にかかわりなく雇用の機会を与えるように求めています。
 
●労働組合法
労働組合から脱退することを雇用条件とすること、あるいは労働組合に加入しないことを約束させて採用することなどを禁止しています。

ここで注意しておきたいのは、障害者雇用促進法を除いたほとんどの労働法は「機会の平等」を求めているのであり、「結果の平等」を強いるものではないということです。

たとえば、男女雇用機会均等法には、「女性を必ず雇用すること」と定められているわけではありません。職歴・能力などの点から、結果として雇用した社員が男性のみであったとしても、それが違法となるわけではないのです。なお、障害者雇用促進法においても、一定率の障害者の雇入れを義務付けているだけであり、特定の人を採用することを義務付けているわけではありません。あくまでも機会の平等が求められているのであり、会社の採用の自由は広く認められているということを押さえておきましょう。
 
機会の平等
→性別による募集採用差別禁止、募集・採用に当たって身長・体重・体力要件をつけることの禁止など
 
結果の平等
→一定比率以上の障害者雇用の義務づけ}

 

 
【Q】事実上の一定年齢以下の採用は違法か、それとも合法か?
 
【A】「結果的に」採用者の年齢が偏ることに問題はありません
 
「中途採用については事実上一定の年齢以下の応募者しか採用していないが違法か?」という主旨の質問を受けることが多くなりました。結論から言いますと、使用者が年齢のみを基準に採用の可否を決めていない限りは、結果として一定の年齢以下の応募者しか採用しなかったとしても、違法とはなりません。
募集・採用について年齢にかかわりなく雇用の機会を与えるよう会社に義務付けられているということは、裏返して言えば、実際に一定年齢以上の社員を採用するよう強制するわけではないということを意味しているのです。すなわち機会の平等を義務付けているのであって、結果の平等までは求められていないのです。
 
なお、募集・採用における年齢制限を禁止する一方で、会社の採用の自由を尊重した例外事由が設けられています。会社の年齢構成が偏っている状態で若年者等を雇用する場合、技能・ノウハウ等の継承の観点から、特定の職種において労働者数が相当程度少ない特定の年齢層に限定して募集・採用する場合は、年齢制限を設けることを可能としました。
 
たとえば、ある会社が年齢制限をかけずに募集を行ない、結果として若手の応募者のみを採用したところ、50代の応募者が「年齢で差別しているのではないか、この会社の採用は違法だ」と述べてきたとしましょう。この会社の対応は違法となってしまうのでしょうか? 答えはNOです。違法ではないのです。使用者が年齢のみを基準に採用の可否を決めていない限りは、違法とはなりません。
 
ただし募集・採用については、年齢にかかわりなく雇用の機会を与える必要があります。雇用対策法において、かつては年齢にかかわらず労働者の募集・採用を行なうことが事業主の「努力義務」とされていましたが、平成19年の改正により「義務」へと変更されました。
 
年齢制限をともなう求人が相当数あったことや、高年齢者や年長フリーターなど一部の労働者の応募機会が閉ざされている状況があったため、労働者一人ひとりにより均等に働く機会が与えられるようにと、募集・採用における年齢制限が禁止されることになったのです。
 

 

【Q】採用前に健康情報を集めることは、プライバシーの侵害になるか?
【A】 健康状態の事前調査は原則として可能です。
 
そもそも雇用契約とは、労働者が労務を提供し、使用者がそれに対し賃金を支払うことを意味します。平たく言ってしまえば、会社が労働者の労働力を買い取り、それを使用することになりますから、買い取る以上、会社が健康な人間を雇いたいと希望することは、何ら責められるべきものではありません。
 
従って、「社員が健康であるかどうか」は、採用にあたって重要な事柄です。多くの会社は、健康に働けることを前提にして雇入れ時の賃金を決定しているはずです。職業安定法第5条の4では、社員を募集するに当たって、業務の目的の達成に必要な範囲内で個人情報を収集することができると定めています。
 
たとえば、高所作業に従事してもらうような場合には、採用前に血圧を測定して把握しておく必要がありますし、商社などの世界中に駐在する可能性のある業務であれば、海外赴任に耐えられる健康状態であるかどうかは、広く健康情報を収集することが不可欠であるといえるでしょう。
 
つまり、当然のことながら、業務に関連する項目について必要な範囲であれば、健康状態について事前に調査することは認められているのです。採用後、むしろ調査しなかったことを原因としたトラブルを起こすといったことのないように、以下の点に注意したうえで、必要な情報は収集しておくべきです。
 

健康情報と個人情報保護法上の問題

たとえば、会社が学生に対して内定を出す前に健康診断を受けるよう求めたところ、その学生の親から「健康情報は個人情報だ。うちの子の健康情報を得ること自体、個人情報保護法違法ではないか?」とのクレームが付いたとします。果たして、この会社の指示は違法となるのでしょうか?
 
結論から申し上げれば、違法ではありません。個人情報保護法の趣旨は個人の同意を得て集めた個人情報を「どのように管理するか」を制限するものであり、採用にあたって情報を「集めること」自体を禁止するものではありません。
 
注意しなければいけないのは、採用にあたって収集した情報を、本人の同意無く目的外に使用したり、第三者に本人の同意無く提供したりすることがないようにすることです。
 
裁判例でも、「健康診断は予定される労務提供の内容に応じて入社前に実施することができる」としています(B金融公庫事件 東京地裁平成15年6月20日)。これは、個人情報保護法施行後の現在においてもあてはまります 。

 
【Q】メンタル面での病歴を採用前に聞くことはプライバシーの侵害に該当するか?
【A】 採用面接に精神疾患を含めた過去の病歴を聞くことは、認められています。
 
一般的な健康診断の結果だけではわからない疾病もたくさんあり、特に最近ではメンタルヘルス不全により欠勤・休職するケースが増えています。しかし、よくよく事情を聞くと、実は入社前から精神疾患の病歴があったことが発覚することも少なくないようです。
 
メンタル面での病歴は、何となく聞いてはいけないものであるように思われがちですが、採用面接において精神疾患を含めた過去の病歴を聞くことは、原則として認められています。
 
精神疾患の病歴についても、疾病によっては業務の遂行に支障が出る場合があります。健康な体で労務を提供する者を採用したいという使用者の考えは尊重されており、当然就職差別につながらないように注意しつつ、業務の目的の達成に必要な範囲内で収集することは可能なのです。
 
過去2年間など、一定の期間を区切って聞くことなどが考えられますが、口頭では聞きづらいことでもあると思われますので、「健康状態チェックシート」などを作成して、面接時に記入してもらうことも有効であると思います。

採用応募者にとっても、例えば、精神科の医師から、残業をしないように禁止されているにもかかわらず、それを隠して入社するよりは、きちんと使用者に説明して雇用されたほうが健康のためにも良いと思います。使用者が遠慮をして、入社前に何も健康状態について聞かずに、その結果、使用者が精神疾患を持つ社員を長時間労働に従事させ、病気が悪化することは誰も望みません。社会の損失に近い悲しい出来事であると私は思います。
 

注意!! 一定の疾病に関する情報収集は禁止

ただし「雇用管理に関する個人情報の適正な取扱いを確保するたに事業者が講ずべき措置に関する指針」における記述には留意が必要です。
ここには雇用管理を行なうにあたって、「HIV」「B型・C型肝炎」等の感染情報については、業務上の特別な必要がない限り取得するべきではないとされています。また、色覚異常等の遺伝情報においても、就業上の配慮を行なうべき特段の事情がない限り、一律に取得するべきではないとしています。
 
【Q】急激な経営環境悪化を理由として採用の内定を取り消すことは問題がないか?
【A】可能ですが、整理解雇の4要素を意識して対応する必要があります。

内定の取消しの方法について

様々な理由から、いったん出した内定を取り消さざるを得ないケースがありますが、この内定取消しは無制約に認められるわけではありません。
大手コンピュータ会社に勤める社員が、転職活動をして別のコンピュータ会社から内定を得たものの、勤務先の会社を退職した後になって経営悪化を理由に内定を取り消された事件 を例に、内定取消しの有効性についてみていきましょう。

裁判所は、「被告の解約権行使は、客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認できる事由がある場合には,当該解約権の行使は適法である」と判断し、企業が経営悪化を理由として採用内定を取消す場合は、下記の整理解雇の有効性判断の4要素を総合判断の上、解約が有効かどうかを判断しています(インフォミックス事件 東京地裁平成9年10月31日決定)。
 
〈整理解雇の4要素〉
経営不振を理由とする内定取消しの場合は、以下の4つの要素に配慮する必要がある。
①人員削減の必要性
②解雇回避努力の存在
③解雇対象者選定の合理性
④手続の妥当性この事件の判決においては、この4要素について以下の通り判断されました。
 
①→大幅な事業縮小などから人員削減の必要性は認められる
②→内定者に対しても入社の辞退勧告を行なうなどして、内定取消し回避のために相応の努力を行なっている
③→既に働いている社員よりも未だに働いていない内定を得た者を解雇対象者選定とすることは合理的である
④→入社日の2週間前になって突然入社の辞退勧告や職種変更の申入れをしたことに関し、本件採用内定を取消す場合には、内定者の納得が得られるよう十分な説明を行なう信義則上の義務がある
 
つまり、④の手続きの妥当性において、会社の説明は内定者の納得を得られるような十分な説明をしたとはいえず、誠実性に欠けていたとして、内定取消しは無効と判断されたのです。

これは非常に厳しい判断といえます。入社日の2週間前に内定取消しを行なったという特殊事情があるにせよ、この会社は内定者に対し一定の金銭の補償を提示しました。それでも、例えば、内定者に対し金銭の補償
などを提示したとしても「内定者の納得が得られるような十分な説明」がなければ内定取消しは無効となってしまうのです。

つまり、内定を取り消すための手順としては
 
①入社日の直前ではなく十分な時間をおいて
②金銭の補償を提示するなど内定取り消しではなく合意退職するための努力を尽くし
③経営状態などの数値をもとに内定を取り消さざるを得ない具体的な説明をする
 
そのうえで、内定者が納得する必要があるということです。

ちなみに、内定取消しを互いに合意して解約する場合、予定している月給の2か月分から半年分程度の金銭補償を行なうことが多いと思われます。ちなみにこの裁判では、(採用内定予定時の1か月分の給与×3か月分)×7割を支払うことを通知しました。

再度就職活動を開始し、内定を得るまでの期間は人それぞれですが、新卒の学生であっても第二新卒として年度途中に再就職することも可能ですので、これ以上の金銭を支払う必要はないでしょう。
また以上のことは、中途採用者の内定取消しについても同様です。
 

 

【Q】急激な経営環境悪化を理由として採用の内々定を取り消すことは問題がないか?
【A】原則としては合理的な理由がなくとも内々定を取り消すことは可能です。
 
内々定は、内定とは異なり、会社との間に雇用契約は成立していません。したがって、契約関係にない以上原則として内々定を取り消すことは可能です。ただし、内定日間際になってことさらに内定取消しを回避するために内々定を取り消す場合や、他の内々定先を断わらせるなどした場合は内々定を受けた者に対する信義則違反となり、会社は内々定を受けた者に慰謝料を支払う必要があると思われます。

最近、内々定を得て入社承諾書を提出し就職活動を終了させた2名の学生が、内定書を受け取る予定日の2日前に「原油高騰や金融危機などの総合的要因」を理由に同社から内々定を取り消された事例について裁判例が出ました。

裁判所は、本件の内々定は、雇用契約そのものではないが、当事者双方が正式な雇用契約締結を目指す上で、内々定者の期待を不当に侵害したものであるとして、22万円の慰謝料を支払うよう命じました(コーセーアールイー事件 福岡高裁判決平成23年2月16日)。

つまり、内々定を出したに過ぎない場合でも、内定を出す間際であるとか、使用者が学生に内定を出すと説明していた場合に内定取消しを行なう場合は、会社は学生と十分に話し合って内定を出せない理由を説明する必要があります。場合によっては、内定取り消しと同様に、一定の金額を支払うなどした上で解決する努力が求められるでしょう。

 
【Q】「試用期間が経過するまでは予告手当を支払いさえすれば自由に解雇可能か?」
【A】試用期間中であっても、「客観的に合理的な理由」がなければ解雇(解約)は無効となります。

社員を採用した後、会社や業務への適性をみるために、3か月程度の試用期間を設けている会社も多いと思いますが、試用期間中も内定と同じく、会社が留保付解約権を持ち、社員としての適格性がないと判断した場合は、解約権を行使することができます。これは、後に解説する解雇規制が厳しいため、試用期間中には、普通解雇とは別の解約権を持つことを認めているわけです。
しかしながら、試用期間中であれば自由に解雇(解約)できるということはありません。試用期間中であっても、「客観的に合理的な理由」がなければ解雇(解約)は無効となります。もっとも、使用期間中の解雇(解約)の有効性の判断は、正社員の場合に比べて若干緩やかになっているといえるでしょう。
 
裁判例においても、試用期間中のコンクリート・ミキサー車の運転手が、安全作業を怠った事例において、就業規則の解雇事由よりも広い裁量が使用者に認められると判断しているものがあります。
基本的に、試用期間中の解雇で裁判にまでもつれる例はあまりありません。これは、労働者側も「試用期間中であれば仕方がないか」とあきらめる事例が多かったからだと思われます。しかし、今後労務トラブルが増加し続けていけば、試用期間中の解約にかかわる裁判も増え続けるものと思われます。私個人は、試用期間中の解約についても、裁判所は厳しく判断する傾向があると感じていますので、証拠と具体的な根拠を揃えた上で解約しなければ、解約は無効となると思います。したがって、実務上は、勤怠不良など客観的な証拠をそろえたうえで、解雇する前に退職勧奨をして辞職してもらうか、合意して退職届を出してもらうことが大切でしょう。

 
【Q】期間雇用として採用し、期間雇用中に従業員として不適当と判断した場合に雇止めをして正社員として採用しない方法は問題がないか?
【A】問題があります。期間雇用とは名ばかりで試用期間を設定したと判断されます。
 
期間雇用の形をとって採用し、期間雇用中に社員として不適当であれば正社員として採用しない、という形を取る会社も見受けられますが、そのような形をとったとしても、リスクは残ります。
最高裁は、このような事案で「使用者が労働者を新規に採用するに当たり、その雇用契約に期間を設けた場合において、その設けた趣旨・目的が労働者の適性を評価・判断するためのものであるときは、右期間の満了により右雇用契約が当然に終了する旨の明確な合意が当事者間に成立しているなどの特段の事情が認められる場合を除き、右期間は契約の存続期間ではなく、試用期間であると解するのが相当である」と判断しています(最高裁平成2年6月5日神戸弘陵学園事件)。
このような期間雇用の採用時には、会社が「特段の問題がなければ正社員に採用する」と説明することが多いと思われますが、この最高裁判決に沿えば、期間雇用の形を取ったとしても、期間雇用契約を更新しない手続きである「雇止め」は容易には認められず、正社員の試用期間と同様の問題が起き、結局、客観的に合理的な理由がなければ雇止めをすることはできません。
 

試用期間中に解雇しないことも問題となる

先ほど述べたことと矛盾するようですが、試用期間中に「当社の社員として不適当である」と思われる事情があったときは、試用期間中に任意に退職してもらうようできる限りの努力をするべきです。
以前筆者の担当した案件で、試用期間中に欠勤が多いなど勤怠不良の社員に対して、そうした問題があることがわかっていながら、会社が温情から何の対策も講じなかったケースがありました。その後たまりかねて試用期間経過後に解雇したものの、裁判においては、労働者や裁判官から「試用期間中になぜ解雇しなかったのか」と問い詰められました。
つまり、試用期間中に解雇をすればその解雇が問題とされ、解雇をしなければしなかったで、後に試用期間中に解雇をしなかったこと自体が咎められることもあるのです。非常に悩ましい問題です。

 

実務担当者はどう判断すればよいのか

試用期間中に解雇する場合は、単に成績が悪いというだけではなく、上司が注意・指導をしてもまったく従わない、遅刻を何度も繰り返すなど、今後雇用しても能力や勤務態度を改善することが難しいと判断できる事情が必要です。
また就業規則で試用期間の延長が認められている場合は、延長して注意・指導を行なうことも効果的でしょう。
ただし、注意・指導などでは対応できないような問題を起こす社員であれば、試用期間中に退職勧奨を行なうべきですが、退職勧奨に応じない場合は、試用期間中に解雇せざるを得ません。人事担当者や専門家は毎回苦しい判断を迫られることになります。
 

まとめ

以上、求人・採用面接・内定・採用・試用期間をめぐるグレーゾーンについて述べてきました。日本の労働法は採用までは、未だ雇用契約を結んでおりませんので比較的規制が緩いのですが、内定・採用後は雇用契約を結んだことになりますので解約、解雇について規制が厳しくなります。このような原則論をおさえておけばおのずと使用者が具体的に何をするべきかはみえてくると思います。適切な人材を採用するための、ひとつの指針として頂ければ、これほど嬉しいことはありません。
 

労務問題に関する記事一覧



Copyright (C) 杜若経営法律事務所 All Rights Reserved.