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労働審判の活用による局面打開

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団体交渉で紛争事案を解決するのが労働組合の役割の一つであると思います。

しかし、団体交渉では使用者が労働組合の主張に譲歩する必要はありませんので、議題によっては労使の主張が平行線を辿ることがままあります。

最近は労使の主張が平行線を辿った場合に労働審判を活用する例も増えています。

比較的手続きが簡易で短期間で解決することから合同労組としては個別労使紛争を解決するには適していると判断しているのかもしれません。

労使双方の主張に隔たりがあっても、労働審判の場合は、裁判所(正確には労働審判委員会、以下同じ)が心証を開示して、調停が成立する場合が多いので、そのような場合の紛争解決形式としては労働審判が適していると思います。


事例は以下の通りです。

ある会社で営業担当の社員が社長とトラブルを起こし、退職しました。

元社員は合同労組を通じて残業代を請求しました。

団体交渉では労使双方の主張が平行線を辿りました。というのも元社員は残業をしたと主張するのですが、退職の一週間前から残業時間を記録したという手帳を除いて証拠が全くありません。会社もタイムカードや日報などの記録をつけていませんでした。

三回団体交渉を開催しましたが、金額に隔たりがありすぎてまとまりませんでした。

その後三ヶ月ほど合同労組から連絡がありませんでしたが、労働審判申立書が会社に届きました。

弁護士をつけずに本人が労働審判を申し立てました。

労働審判の期日当日は、元社員だけでなく合同労組関係者が裁判所にいました。東京では弁護士を付けずに労働審判を申し立てることはほとんどありませんが、地方に行きますと弁護士を付けずに労働審判を申し立てることがままあります。おそらく合同労組の助言や援助があったと思われます。

合同労組関係者は裁判所に対して、労働審判の際、同席することを求めましたが、裁判所は認めませんでした。

この事案では、元社員の主張が不明確であったり、足りないところも多くあったのですが、弁護士を付けずに労働者本人が申し立てをした場合は、裁判所が主張や証拠が足りないところについて適宜元社員に質問をして補充してしまうことがあります。

この事案の場合もそうでした。裁判所が積極的に質問し、問題のある労働審判の申し立てを事実上補充してしまいました。

具体的に言いますと、残業代の計算に誤りがあったり、残業の会社の指示命令についてなんら記載がなかったにもかかわらず、裁判所が質問をすることで事実上誤りを直したり、補充してしまいました。

裁判所は、元社員の手帳が退職前一週間分しかないにせよ、会社が労働時間を把握する義務を怠っているので、手帳の記載内容をもとにした残業代の請求を認めると心証を開示しました。

会社は大変不満でしたが、その後の通常訴訟(裁判官があまりいない裁判所では、同じ裁判官が引き続き担当します)でその結果が変わる可能性は低いと考え、それを受け入れました。このように民事訴訟法上は問題があると思うのですが、労働審判の場合は迅速に解決するという目的から積極的に裁判所が当事者に質問をして事実上主張や立証を補充してしまいます。

裁判所の方針にもよりますが、事案によっては弁護士をつけずとも合同労組の援助、助言で申し立てをする事が可能です。

このように、これまで合同労組と会社との交渉はなるべく裁判にならないように話し合いで決着をつけようとしていたと思いますが、労働審判を活用する事により、弁護士を付けずとも裁判所で解決することが可能であると言えます。

ポイント

団体交渉の最中でも、労働審判になる可能性を踏まえて主張や証拠を整理しておく必要があります。
 

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