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  • 2009年9月7日

妊産婦の残業について(平成21年9月7日号掲載)

【設例】
当社は、管理部長が女性です。妊産婦がいわゆる管理監督者であった場合も、妊産婦の請求で残業をさせることができないのでしょうか?


労基法66条は、妊産婦の残業について以下のとおり定めています。
使用者は、妊産婦が請求した場合においては、変形労働時間制(32条の2・32条の4・32条の5)によっても法定労働時間をこえる労働をさせてはならない(1項)。
使用者は、妊産婦が請求した場合においては、非常事由(33条1項)または36協定(36条)による時間外・休日労働をさせてはならない(2項)。
さらに、使用者は、妊産婦が請求した場合においては、深夜業をさせてはならない(3項)。

これは、妊産婦の母体と胎児への影響を気遣って、妊産婦の請求があった場合はいわゆる残業を行わせないように定めたものです。
変形労働時間制の場合も、妊産婦の母体と胎児への影響を気遣って、週40時間の労働時間規制を守らなければなりません。ただし、妊産婦といっても個人差があるため、本人の請求をまって残業の制限を課すことにしました。

では、女性が管理監督者(いわゆる名ばかり管理職は含まない)の場合はどうなるのでしょうか?

労基法41条2号は、管理監督者について、労働基準法の労働時間、休憩、休日に関する規定を適用しないと定めています。つまり、管理監督者については、1日の法定労働時間が8時間であることや1週間に1日休日をとらせなければならないとの労基法の規制が及ばないことになるのです。
一方で、労基法66条は、労働時間の規制が適用されることを前提に定めたものであり、労働時間等について規制が及ばない管理監督者にはそもそも適用されない条文なのです。

したがって、設問の答えですが、設例の管理部長が請求しても、会社は1日8時間労働以内に労働時間を抑える必要はありません。もっとも、管理監督者にも深夜業の規制は及びますので、設例の管理部長が請求した場合は、深夜業をさせないようにしなければなりません。
以上は、形式的に法律を適用した場合の結論ですが、管理職である妊産婦の体調が優れなかったりした場合は、管理職とはいえ女性従業員に無理を強いることなく、適宜労働時間を調整するべきであることはいうまでもありません。

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