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  • 2009年8月31日

産前産後休業における賞与(平成21年8月31日号掲載)

【設問】
A社では出勤率改善のために以下の規定を設けました。
・出勤率が90パーセントを超えなければ、そもそも賞与を支給しない
・出勤率が90パーセントを超えたとしても、日割りで欠勤部分は賞与額から控除する
・産前産後休業は、欠勤としてカウントする
産後休業を行っていたBさんは、法律で認められている産休が欠勤になるのであれば、誰も産休をとることができなくなる。これは全て無効で、賞与は全額もらえるべきだと主張しました。
A社は、Bさんのいうとおり、賞与を全額支払う必要があるのでしょうか?


これは東朋学園事件判決をモデルにした事例です。設例と同様に、出勤率が一定の割合を超えなければ賞与を支給しない、出勤率の算定の際には産休は欠勤したものとして扱うとしたものです。

東朋学園事件(最高裁平成15年12月4日判決 労判862号14頁)
・ 母性保護規定上の権利を行使することにより、結果として当該女性従業員に不利益となるような使用者の規定が存する場合、全面的にその効力が認められないのではなく、労基法65条や育児休業法10条の権利等の行使を抑制し、上記権利等を保障した趣旨を実質的に失わせたと認められる場合に限り、公序に反するものとして無効となる。

・ 賞与の支給要件における出勤率の算定において産休等の日数・勤務時間短縮の時間を欠勤扱いすることは許されないが、賞与額の算定にあたって当該日数・時間を決起員と扱い賞与額を算定することは許される

要するに、産前産後休業は法律で認められた権利である。したがって、それを行使したからといって賞与を全てもらえないというのはおかしい。一方で、産前産後休業期間中は賃金が発生しないと取り扱うことは適法であり、産前産後休業を出勤したものとして扱うことを強制することも出来ません。産前産後休業の部分については賞与も減額しても良いのではないかという考えもあります。

最高裁は、賞与を全く支給しないという規定は違法であるが、産前産後休業を取得した部分について、部分的に賞与を支払わないという取扱いをすることは適法であると判断しました。

産前産後休業はあくまでも欠勤扱いとなりますので、欠勤した部分については優遇する必要はありませんが、産前産後休業をとったからといって賞与が全くもらえないなどの規定を設けるのは行き過ぎであるということです。

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