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  • 2009年8月10日

解雇に関するトラブル(平成21年8月10日号掲載)

業務態度について注意し、明日からこなくてもよいと言ったところ、不当解雇だと言われトラブルになっています。どう対応したらいいですか?


ある物流会社の社長Aさんは、従業員Bさんの日頃の勤務態度を叱責しました。従業員Bさんは、社長がそこまでいうのであれば、会社をやめてやると言い、会社を出て行きました。社長Aさんは、従業員Bさんが退職したと思いました。数週間後、従業員の代理人弁護士から、解雇の撤回を求める内容証明通知書が届きました。社長Aさんは、何かの間違いだと思い、代理人弁護士に連絡しましたが、代理人弁護士は、会社が解雇をしたといって譲りません。その後、このトラブルは、裁判になり、会社は敗訴し、従業員に対して約1年分の給料分の金額を支払わざるを得なくなりました。

ほとんどの方は、従業員が会社をやめると言って出て行ったのだから、解雇ではないだろうと思われると思います。しかし、裁判所はそのように判断しません。裁判所は、退職なのか、解雇なのかについては、退職届がない限り、会社が解雇をしたと認定する可能性が高いのです。解雇となれば、会社は、解雇予告手当を従業員に支払い、かつ従業員を解雇する理由が合理的でない限り、解雇は無効となってしまいます。

解雇予告手当さえ支払えば、解雇は有効であると誤解されている方がいるかもしれませんが、それは誤りです。訴訟では、解雇に合理的な理由がなければ、解雇は無効となってしまうのです。私の感覚で言うと、弁護士などの専門家が事前にアドバイスせずに行った解雇が裁判になったケースは、8割から9割は会社が負けていると思います。よほど準備して解雇をしないと、裁判では負けてしまうのです。

会社が敗訴すれば、驚くべきことに、東京地方裁判所の仮処分であれば、約1年間の給料を支払わなければなりません(正確には一月の給料の8割×12!)。和解をするにしても、数ヶ月分の給料を支払わなければなりません。労働者の代理人弁護士は、このようなことを知っています。最近、法テラスができ、国が弁護士費用を一定の条件の下立て替えるなど、従来より裁判制度を利用しやすくなりました。労働審判もできました。これまで、訴訟にならなかったケースが訴訟になることが増えると思われます。

では、会社はどうすればよかったのでしょうか?従業員がやめてやると言ったときに、会社は従業員に退職届を提出させればよかったのです。この場合、従業員が退職届を撤回すると言ってトラブルになることもあるので、会社は、退職届を受領したとの書面を従業員に渡すべきです。そうすれば、退職したことについて双方同意したと言うことができるからです。この場合の退職届の受領書は、社長や人事部長、総務部長の名前で出した方がよいと思われます。合意退職の承諾権者は一部の権限のある者に限られるからです。

言われてみれば当たり前のことかもしれません。しかし、現実には、企業の社長さんといえども、いざ従業員とトラブルになると、冷静さを失い、無用の紛争を招いていることが多いのです。

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