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  • 2009年6月15日

懲戒処分を行う場合②(平成21年6月15日号掲載)

A社にはB労働組合A社支部があります。組合員資格のある従業員のうち組合員比率は3割です。A社支部組合員の従業員Cが所定労働時間内に会社の構内でビラを配ったことが分かりました。A社は懲戒処分を行うことはできるのでしょうか?懲戒処分を行う場合は、何をどのように検討するべきでしょうか?


【言い分を聞く機会を与える】
判例上、懲戒処分を行うためには、被懲戒者の言い分を聞かなければならないとされています。言い分を聞く機会を与えない場合は、懲戒処分は無効となる可能性が高くなります。かりに、就業規則に定めが無くとも言い分の機会は与えなければなりません。

就業規則上、始末書を提出するように規定されている場合がありますが、始末書の提出と言い分を聞くことは必ずしも一致するわけではありませんので、かならず言い分を聞くようにしてください。なお、多くの判例は、憲法第19条の思想良心の自由を尊重するとの趣旨から、始末書を提出しなかったことのみを理由にして懲戒処分を行うことはできないと述べています。

処罰の均衡を欠く場合

形式的に就業規則違反にあてはまる場合にも、処分の均衡を欠く場合には、権利の濫用であるとして、懲戒処分が無効とされる場合があります。
例えば、ある会社の就業規則に「遅刻はしてはならない」との文言が存在すると仮定します。この会社は、これまで遅刻をしてきた者に対し、懲戒処分を行ってきたことはありませんでした。このような場合、問題社員が遅刻をしたからといって、すぐに出勤停止などの厳しい処分を科すことは処分の均衡を欠くとして争われる場合があります。特に、労働組合が社内に結成され、急に労務管理を厳しく行おうとする場合は処分の均衡を欠くとして労働組合から抗議を受けることがあります。

そうはいっても、遅刻をしている者に対し何の処分を下さないのでは社内秩序を保てません。
このような場合はどのように対応したらよいのでしょうか?

まず、通知書を出し、当該従業員の行為は就業規則●条違反に該当するので今後は遅刻しないこと、再度遅刻をした場合は懲戒処分を下すことがあると警告します。また、遅刻については今後厳しく懲戒処分を下すという社内通達文書を掲示し、他の従業員にも告知します。

会社がこのような通知書や通達文書を出すことで、これまで見逃してきた遅刻については今後一律厳しく取り扱うという新たな社内ルールが設けられたことになり(設けられたことにします)、過去の行為とは切り離して考えることが出来、処分の均衡を欠くという批判に反論することが出来るようになります。

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