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  • 2008年10月13日

解散時の整理解雇②(平成20年10月13日号掲載)

物流運送は、経営不振に陥り多額の負債を抱えており事業継続が不可能となり、事業を廃止し解散することとしました。

しかし、物流運送の一部門である大型トレーラー部門は何とか利益をあげており、独立採算して事業を継続できそうです。そこで、物流運送は、別会社に大型トレーラー部門の営業を譲渡することとしました。別会社である譲受会社は賃金等を切り下げた労働条件であれば当社の従業員の一部を採用することを了解したため、物流運送は、希望者を譲受会社に就職斡旋することとしました。
 
ところが、物流運送の従業員で譲受会社に就職を希望したが、賃金等を切り下げた労働条件では合意できないとした従業員がおり、当該従業員は譲受会社に就職することができませんでした。やむなく物流運送は、事業廃止に伴い全従業員を解雇しました。当該従業員は、物流運送に対しては解雇無効の訴え、譲受会社に対しては、雇用契約は承継されているとして訴えを起こしました。この訴えは認められるのでしょうか?
 
かりに当該従業員が労働組合員であった場合はどうでしょうか?
 


前回は、たとえ、会社解散が労働組合解散の目的のためのものであっても、裁判所は会社解散が偽装解散(新会社を設立し、新会社で実質的には同一営業を引き継ぐこと)でなければ、解雇を有効と判断していると述べました。

今回は、営業譲渡により雇用契約が当然に承継されるのか否かについて述べます。営業譲渡により雇用契約が当然に承継されるのであれば、設問の事例では従業員は譲受会社で従業員として働くことができます。

そもそも営業譲渡における「営業」に雇用契約は含まれるのでしょうか?当然のことながら、当事者が雇用契約、雇用契約から生じる債権債務を承継すると双方が合意するのであれば、雇用契約から生じる債権債務を承継します。では、当事者が特段合意していないにもかかわらず、雇用契約から生じる債権債務は譲受人に承継されるのでしょうか?

最近の裁判例は、営業譲渡において雇用契約から生じる債権債務を当然に承継することはないとの立場に立っています。但し、契約書において、雇用契約から生じる債権債務を承継しないとの特約を設けておかないと後々トラブルになることが多いので、必ず契約書には雇用契約を承継しないとの特約を明記しておきましょう。

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