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  • 2008年9月29日

整理解雇の有効性⑧(平成20年9月29日号掲載)

物流運送は、業績不振から、従業員を解雇しようと考えています。

物流運送には、従業員約100名おり、事業所はA事業所(従業員40名)、B事業所(従業員60名)の2つがあります。A事業所が行っている業務は赤字続きで、加えて燃料費の高騰もあり、思い切ってA事業所を閉鎖しようと考えています。

ところが、A事業所の一部の従業員(10名程度)は、会社がA事業所を閉鎖し、自分たちを解雇するのではないかと考え、解雇を阻止するために労働組合を結成しました。

物流運送の佐藤社長は、A事業所の従業員に対し、いくばくかの割増の退職金を支払って辞めてもらおうと思っていましたが、労働組合が結成されてしまったためどのように対応すればよいのかわからなくなりました。できれば、佐藤社長は、労働組合の組合員は解雇し、それ以外のA事業所の非組合員については割増の退職金を支払って辞めてもらおうと考えています。

そのうち、労働組合が物流運送に対し、今後のA事業所のあり方について団体交渉の申し入れを行ってきました。
物流運送はどのように対応したらよいでしょうか?


前回は、整理解雇の有効性は、裁判例により、人員削減の必要性、解雇回避努力、被解雇者選定の妥当性、手続の妥当性の4要素を考慮して判断され、その中の被解雇者選定の妥当性について述べました。今回は、手続きの妥当性について述べましたので、今回は続きを述べたいと思います。
 
使用者は、整理解雇を行うにあたって、労働組合がある場合は労働組合と、労働組合がなければ解雇の対象となる従業員と協議を行わなければなりません。まったく使用者が労働組合又は従業員と協議を行わなければ解雇は無効となります。
 
では、使用者はいつ協議を行わなければならないのでしょうか?
協議すべき時期についていえば、人員削減の内容が決定した段階で速やかにその旨を申し入れ、人員整理の内容について説明し協議を尽くすべきです。人員削減の内容が決まっても、解雇の直前まで知らせないというのでは手続の妥当性が否定され、解雇が無効となるおそれが強くなります。
 
使用者は、人員削減の方針が決定した後、速やかにある程度の時間と回数を重ねて人員削減あるいは整理解雇せざるを得ない事情を説明し、協議しなければなりません。過去の裁判例をみますと、人員削減まで時間が無くとも、少なくとも解雇日までは4~5回は協議を重ね、解雇の後も解雇をした理由と合意退職の努力を行わなければならないとされています。そこまでする必要があるのかと思われるかもしれませんが、手続の妥当性が認められないだけで解雇無効となることが多いので注意をして下さい。

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