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  • 2008年9月15日

整理解雇の有効性⑥(平成20年9月15日号掲載)

物流運送は、業績不振から、従業員を解雇しようと考えています。

物流運送には、従業員約100名おり、事業所はA事業所(従業員40名)、B事業所(従業員60名)の2つがあります。A事業所が行っている業務は赤字続きで、加えて燃料費の高騰もあり、思い切ってA事業所を閉鎖しようと考えています。

ところが、A事業所の一部の従業員(10名程度)は、会社がA事業所を閉鎖し、自分たちを解雇するのではないかと考え、解雇を阻
止するために労働組合を結成しました。

物流運送の佐藤社長は、A事業所の従業員に対し、いくばくかの割増の退職金を支払って辞めてもらおうと思っていましたが、労働組合が結成されてしまったためどのように対応すればよいのかわからなくなりました。できれば、佐藤社長は、労働組合の組合員は解雇し、それ以外のA事業所の非組合員については割増の退職金を支払って辞めてもらおうと考えています。

そのうち、労働組合が物流運送に対し、今後のA事業所のあり方について団体交渉の申し入れを行ってきました。
物流運送はどのように対応したらよいでしょうか?


前回は、整理解雇の有効性は、裁判例により、人員削減の必要性、解雇回避努力、被解雇者選定の妥当性、手続の妥当性の4要素を考慮して判断され、その中で解雇回避努力をする上で行う希望退職募集について述べました。今回は、被解雇者選定の妥当性について述べたいと思います。
 
整理解雇を行う上で、全員を解雇するのであれば別ですが、一部の従業員を解雇せずに会社に残すのであれば、従業員を評価して、被解雇者を選定しなければなりません。その際、被解雇者を選定した理由について、合理的な説明をなし得ることが必要で、訴訟となった場合には、人選理由を証拠として提出しなければなりません。

では、人事考課を人選基準とすることはできるのでしょうか?人事考課は、会社、業種によるのでしょうが、能力、実績、勤怠、職場規律の遵守などを考慮して行い、従業員間で相対評価を行うことが通常です。また、人事考課を継続的に行っているのであれば、恣意性が入る余地は少ないことが多いです。したがって、人事考課が一定基準以下の従業員を被解雇者とすることは合理性があると言われています。

次回は、企業への貢献度、経済的打撃の大小、非正規社員の優先的に解雇できるかなどについて述べます。

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