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  • 2008年9月1日

整理解雇の有効性④(平成20年9月1日号掲載)

物流運送は、業績不振から、従業員を解雇しようと考えています。

物流運送には、従業員約100名おり、事業所はA事業所(従業員40名)、B事業所(従業員60名)の2つがあります。A事業所が行っている業務は赤字続きで、加えて燃料費の高騰もあり、思い切ってA事業所を閉鎖しようと考えています。
ところが、A事業所の一部の従業員(10名程度)は、会社がA事業所を閉鎖し、自分たちを解雇するのではないかと考え、解雇を阻止するために労働組合を結成しました。

物流運送の佐藤社長は、A事業所の従業員に対し、いくばくかの割増の退職金を支払って辞めてもらおうと思っていましたが、労働組合が結成されてしまったためどのように対応すればよいのかわからなくなりました。できれば、佐藤社長は、労働組合の組合員は解雇し、それ以外のA事業所の非組合員については割増の退職金を支払って辞めてもらおうと考えています。
そのうち、労働組合が物流運送に対し、今後のA事業所のあり方について団体交渉の申し入れを行ってきました。
物流運送はどのように対応したらよいでしょうか?


前回は、整理解雇の有効性は、裁判例により、人員削減の必要性、解雇回避努力、被解雇者選定の妥当性、手続の妥当性の4要素を考慮して判断され、その中で人員削減の必要性について述べました。今回は、解雇回避努力について述べたいと思います。

使用者は、整理解雇を行うにあたって、賃金カット、労働時間の短縮、配転などの他の手段によって解雇回避の努力をする信義則上の義務を負います。
本件では、物流運送はどのように対応すればいいのでしょうか?

A事業所の閉鎖は決まっているので、労働時間の短縮、賃金カットを行う時間はありません。
また、このような場合は、A事業所の従業員を対象にした希望退職の募集もしくは配転を行うべきです。もっとも、A事業所を閉鎖するのですから、全てのA事業所の従業員をB事業所に配転することはできません。A事業所の従業員をB事業所に配転するとしてもごくわずかの従業員にとどまるはずです。この点、A事業所を閉鎖するのですから、全くB事業所に配転せずに整理解雇を行うこともよくありますが、少しでも雇用確保の為に努力をしたという姿勢をみせることが対裁判所において有効ですので、少しでも配転の余地があれば、B事業所に配転するべきです。

希望退職の募集については次回以降述べます。

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