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  • 2008年8月11日

整理解雇の有効性②(平成20年8月11日号掲載)

物流運送は、業績不振から、従業員を解雇しようと考えています。

物流運送には、従業員約100名おり、事業所はA事業所(従業員40名)、B事業所(従業員60名)の2つがあります。A事業所が行っている業務は赤字続きで、加えて燃料費の高騰もあり、思い切ってA事業所を閉鎖しようと考えています。

ところが、A事業所の一部の従業員(10名程度)は、会社がA事業所を閉鎖し、自分たちを解雇するのではないかと考え、解雇を阻止するために労働組合を結成しました。
物流運送の佐藤社長は、A事業所の従業員に対し、いくばくかの割増の退職金を支払って辞めてもらおうと思っていましたが、労働組合が結成されてしまったためどのように対応すればよいのかわからなくなりました。できれば、佐藤社長は、労働組合の組合員は解雇し、それ以外のA事業所の非組合員については割増の退職金を支払って辞めてもらおうと考えています。

そのうち、労働組合が物流運送に対し、今後のA事業所のあり方について団体交渉の申し入れを行ってきました。
物流運送はどのように対応したらよいでしょうか?


会社が、業績不振のため、人員削減をしなければならない時、解雇をすることがあると思います。

労基法は、解雇を行うにあたって、1ヶ月前に通知するか、解雇予告手当てを支払わなければならないと定めています。
実は、解雇の1ヶ月前に通知しても、解雇予告手当を支払っても、それだけでは解雇が有効とはなりません。

日本は、欧米と異なり、長期雇用を前提とした社会です。そのため、戦後、裁判所は、解雇について、解雇予告手当を支払ったのみでは解雇を有効とせず、厳しい規制を課しました。
特に、整理解雇は、懲戒解雇と異なり、従業員個人に落ち度があるわけではないため、裁判所は解雇の有効性について厳しい規制を課しています。

具体的に言うと、整理解雇の有効性は、整理解雇の必要性、解雇回避努力、被解雇者選定の妥当性、手続の妥当性の4要素を考慮して判断されます。
解雇が無効となるとどうなるのでしょうか?裁判所が解雇を無効と判断してしまうと、原則として解雇期間中の給与を支払わなければならなくなります。裁判が長引けば、1名何百万ものお金を支払わなければならなくなるのです。また、従業員と和解しない限り、一度解雇したものを職場に復帰させなければならなくなります。

次回は、具体的に、整理解雇の上記4要素にしたがって解説します。

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