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  • 2008年8月4日

整理解雇の有効性①(平成20年8月4日号掲載)

物流運送は、運転手40名をかかえる運送会社です。

ただし、人件費抑制のため、正社員の他に2種類の社員を雇っています。40名のうち3名は、アルバイト社員といって、正社員と仕事がほぼ同じで、雇用契約期間の定めはないですが、1週間の所定労働時間が短い者です。40名のうち5名は、契約社員といって、正社員と仕事がほぼ同じで、1週間の所定労働時間が正社員と同じで、雇用契約期間の定めはありません。ただし、正社員と契約社員は、正社員が月給制であるのに対し、契約社員は時給制です。正社員と契約社員、アルバイトを比べると、正社員の方が賃金水準が高くなります。

物流運送は、これまで会社設立以来、特に雇用契約書も定めることもなく人事労務管理をしてきました。契約社員、アルバイトから不満が聞こえてきたこともありません。ところが、ある日突然複数の契約社員が労働組合に加入し、労働組合は、契約社員、アルバイトを正社員にしろという要求を突きつけてきました。アルバイト、契約社員を正社員にしてしまうと、人件費があがり、会社の収益を圧迫し、赤字に転落してしまいます。物流運送はどのように対応したらよいでしょうか?


前回は、平成20年4月施行の改正パートタイム労働法によれば、本件事例では、アルバイトや契約社員が「通常の労働者と同視すべきパート労働者」と認められる可能性が高く、その場合は、物流運送はアルバイトや契約社員に正社員と同様の賃金を支払わなければならなくなると説明しました。

では、物流運送は、どのような対策をとれば良かったのでしょうか?
「通常の労働者と同視すべきパート労働者」とは、Ⅰ正社員と業務の内容、責任の程度が同じであり、Ⅱ当該事業主と期間の定めのない雇用契約をむすんでおり、Ⅲ人材活用の仕組み、運用等が当該事業所に適用される通常の労働者と同一であるものをいいます。

上記要件のⅠについては、物流運送の業務からすると、なかなかアルバイトや契約社員と正社員の内容、責任については区別することは難しいかもしれません。例えば、アルバイトや契約社員は近距離のみ、正社員は近距離以外に遠距離のルートも担当させたとしても、厚生労働省の基準からすると、アルバイトや契約社員と正社員の業務の内容、責任が異なるということはできないと思います。

上記要件のⅡについては、期間を定めて、雇用契約書を結んでいれば楽々とクリアーすることができます。ただし、一度雇用契約書を結んだとしても、更新時期になっても契約を再び取り交わさないなど、契約の管理をきちんと行わなければ、結局この要件についても、期間の定めのない雇用契約を結んだと見なされることになってしまいます。
上記要件のⅢについては、小規模な会社であれば、転勤、管理職への昇進も難しいでしょうから、正社員とアルバイトや契約社員の人材活用の仕組み、運用等を異ならせることは難しいかもしれません。

結論から言えば、現行法では、まず期間の定めのある雇用契約書をきちんと結び労務管理を行うのが最低限の対策となります。

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