労務ネット labor-management.net│団体交渉、労働組合対策、使用者側の労務問題を弁護士が解決!団体交渉、労働組合対策なら杜若経営法律事務所へ

  • HOME
  • 団体交渉|社内
  • 団体交渉|ユニオン
  • 解決事例
  • お客様の声
  • 労働組合問題
  • セミナー・講演
  • 執筆・出版
  • 事務所紹介
  • HOME
  • 2008年4月7日

待機時間は労働時間にあたるか(4月7日掲載分)

物流運送会社は、現在ある問題で頭を悩ませています。

物流運送株式会社の搬送センターでは、積荷が到着してから、トラックに積み替え、それから目的地に向け出発するようにしています。物流運送株式会社では、積荷が到着し、運転車が積み替え作業に入ってから、労働を開始したとして、賃金を計算しています。これまでは、このようなやり方に異議をとなえる従業員はいませんでした。

ところが、元従業員の佐藤さんが、労働基準監督署に駆け込み、残業代の請求をしてきました。佐藤さんの言い分は、「積荷が到着する前の待機時間も、積荷が来たらいつでも動かなければならない状態にあったのだから、労働時間にあたる」というものでした。

佐藤さんの言い分が通ってしまったら、その他の現在の従業員に対しても、積荷が到着するまでの待機時間を労働時間として扱わざるを得ず、物流運送株式会社の労務コストは10パーセント上昇してしまい、確実に経営を圧迫します。物流運送株式会社はどうしたらいいでしょうか?


労働基準法上の労働時間は、使用者の指揮命令下に置かれている時間を言いますが、実作業に従事していなくても労働時間性が肯定される場合があります。

最高裁判所の判例(第一小法廷平成12年3月9日判決、三菱重工業会社側上告事件)や行政解釈(解釈通覧労働基準法144頁、労働法コンメンタール③B労働基準法上366頁、昭和22年9月13日発基17号参照)も同様です。

「指揮命令下に置かれている」か否かは一義的に定まらない評価概念ですので、具体的な事案において「指揮命令下」にあると評価できるか否かが問題です。

よく、残業代について争われる裁判で、「手待ち」時間なのか、「手空き」時間なのかが争われることがあります。まぎらわしい言葉なのですが、「手待ち」時間というのは、たまたま実労働には従事していないが、顧客や仕事が発生したら直ちに取り掛からなければならない時間をいいます。

一方、「手空き」時間というのは、実労働に従事しておらず、かつ労働からの解放が保障されている時間です。ある時刻まで作業をしなくてもよく、かつ実労働から離れることができる時間のことをいいます。休憩というのは、使用者の命令から離れた自由な時間である必要があると言われていますので(住友化学工業事件、最判昭和54年11月3日)、手空き時間=休憩ということになります。

続きは次号で述べます。

執筆・出版・連載記事に関する一覧

直近の執筆一覧(2012年~)

過去の執筆一覧(~2013年)

当事務所の弁護士による出版物

「労働新聞」連載記事(2009年7月~12月)

「物流WEEKLY」連載記事(2007年4月~2009年7月)


Copyright (C) 杜若経営法律事務所 All Rights Reserved.