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  • 2008年3月31日

 

一方的な配転は認められるか(3月31日掲載分)

物流運送株式会社の鈴木さんは、勤続10年にわたるベテランドライバーです。

鈴木さんは、腰痛持ちのため、物流運送株式会社に対し、腰に負担の軽い特定のルートの配送を希望しています。

しかし、物流運送株式会社としても、鈴木さんの希望のみを聞くわけにいきません。物流運送株式会社は、鈴木さんに対し、鈴木さんが希望するルート以外の配送を命じ、鈴木さんはこれを拒否しました。

物流運送株式会社としては、鈴木さんが拒否する以上、ドライバーではなく、事務員として働いてもらおうと考えています。鈴木さんは、ドライバーではなく、事務員として働くと給料が下がるため、それもいやだと言っています。この場合は、物流運送株式会社は鈴木さんを一方的に事務員に配転することができるのでしょうか?



労働者は、使用者に労務を提供する義務を有しています。使用者は、労働者に対し、賃金を支払う義務を有しています。使用者は、労働者に対し、賃金を支払うかわりに、労働者が提供した労働力を法令の範囲、契約の範囲内で自由に使用することができます。


特に、日本の裁判所は、解雇規制を厳しくする一方、配転などについては比較的広く使用者の裁量を認めています。


それでは、設例の事例では、物流運送株式会社は、鈴木さんを事務員に配転することができるのでしょうか?


使用者の配転も無制限ではなく、勤務地・職種の限定の合意がある場合は、労働者の同意がなければ一方的に配転できないことになります。

物流運送株式会社が、鈴木さんに採用時、何をどのように説明したか、求人広告が「ドライバー募集」などとドライバーに限定するような記載をしていたか、他の従業員でドライバーから事務員に異動した人はいたか、などを考慮して、物流運送株式会社と鈴木さんとの間に職種の限定の合意があったかを判断することになります。


かりに、物流運送株式会社と鈴木さんとの間にドライバーとして職種を限定する合意があったとすれば、物流運送株式会社は鈴木さんをドライバーから事務員に配転することはできません。


一方で、物流運送株式会社と鈴木さんとの間にドライバーとして職種を限定する合意がなければ、物流運送株式会社は鈴木さんをドライバーから事務員に配転することが可能となります。


ただし、ドライバーの給与よりも事務員の給与が低い場合は、裁判所が配転は権利の濫用であると判断する可能性が高くなります。

ドライバーから事務員に配転する場合でも、給与については一定の配慮が必要となります。


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