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  • 2008年3月24日


「腰痛」で従業員を解雇できるか(3月24日掲載分)



物流運送株式会社の従業員である佐藤さんは、勤続20年のベテランドライバーです。


佐藤さんは、入社以来の疲労の蓄積などにより慢性的な腰痛に悩まされています。過去に、佐藤さんは、腰痛が原因で仕事を長期にわたって休み、労災認定を受けたことがあります。


佐藤さんは、腰痛にもかかわらず、これまで何とか仕事をしてきましたが、とうとう腰痛で運転ができなくなってしまいました。物流運送株式会社は、従業員が50名足らずの会社ですので、デスクワークと言っても、佐藤さんが行うような仕事はありません。物流運送株式会社は、解雇もやむなしと考えています。物流運送株式会社はどうしたらいいのでしょうか?




腰痛は、物流に携わる従業員のいわば職業病です。程度を問わなければ、かなりの数の従業員が腰痛を抱えているはずです。設例の事例はどこの会社でも起こりうるものだと思います。


労基法第19条1項は、「使用者は、労働者が業務上負傷し、または疾病にかかり療養のため休業する期間およびその後の30日間は、その労働者を解雇し得ない」と定めています。


上記の事例でいうと、佐藤さんが仕事のために腰痛になり、それにより休業していれば、その期間は解雇できないということになります。ただし、休業していれば、いつまでも解雇できないというわけでもありません。労働者が労災給付を受けている場合、使用者が打切補償(労基法81条)を行えば解雇することができます。


ただし、労基法に違反しなくとも、裁判所は解雇の有効性を厳しく判断しますので注意が必要です。

上記の事例で、佐藤さんが後遺障害を有して(障害者等級1〜3級)、全く就労不能であると医師の診断を受けていれば裁判所も解雇は有効ではあると思います。


しかし、佐藤さんがドライバーを続けたいために、就労が可能であるとの医師の診断書を提出したり、または障害者等級があったとしても一部労働能力を喪失しているにすぎないから運転ができるという可能性もあります。その場合は、解雇を主張する会社と就労を主張する佐藤さんの間で争いが生じます。


この場合、会社は、佐藤さんと粘り強く交渉し、退職金の上積みなどにより合意退職できるように働きかけるべきです。また、一方で、会社が指定する医師に佐藤さんを診断させ、就労不能であるとの診断をもらうべきです。この場合、裁判所は、会社がなすべきことをすべてなして、それでも解雇は避けられなかったと判断し、解雇を有効であると判断すると思われます。


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