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  • 2008年3月10日

管理職に残業代を払う必要はあるか②(3月10日掲載分)

物流運送株式会社は現在ある問題に頭を悩ませています。


物流運送A支店を任されていた佐藤元支店長が、退職後、労基署にかけこみ会社に残業代を請求したためです。


物流運送は、従来から支店長=管理職として残業代を支払ってきませんでした。同業他社でもそのように扱っているため、物流運送でもそのような取り扱いを永年してきました。


1. 佐藤元支店長は、自身もタイムカードを押して物流運送株式会社に勤怠の報告をあげていました。


2. 佐藤元支店長は、アルバイト、パートの採用権限はあるものの、正社員の採用権限はなく、正社員はすべて物流運送本社が採用してきました。


3. 佐藤元支店長は、物流運送の経営会議に参加したり、経営計画の策定に携わることはありませんでした。


4. 物流運送は、佐藤元支店長に役職手当として月5000円を支払ってきました。




このような場合、物流運送株式会社は、佐藤元支店長に対し残業代を支払わなければならないのでしょうか?









前回の記事で、労働基準法41条2号の「監督もしくは管理の地位にある者」には深夜残業代を除く時間外手当、休日手当を支払う必要はないが、その内容は、肩書きのみではなく、実態にてらして判断されると述べました。




では、この設例の事案では、佐藤元支店長は、「監督もしくは管理の地位にある者」にあたるのでしょうか?




まず、上記「1」の佐藤元支店長がタイムカードにより勤怠の管理をされていた点についてですが、株式会社ほるぷ事件判決(東京地裁平成9年8月1日判決)、インターパシフィック事件判決(大阪地裁平成8年9月6日判決)は、タイムカードで勤怠管理を受けていたことを重視して、管理監督者性を否定していますので、物流運送にとっては不利な点です。




次に上記「2」の佐藤元支店長がパート・アルバイトの採用権限があるが、正社員の採用権限がない点についてですが、三栄珈琲事件判決(大阪地裁平成3年2月26日判決)は、喫茶店店長について、パート・アルバイトの採用権限があっても、管理監督者性を否定していますので、パート・アルバイトの採用権限があっても、物流運送に有利な事実とはなりません。


むしろ、正社員の採用権限がないことは、管理監督者性を否定することにつながりかねない事実であり、物流運送にとって不利な事実です。


上記「3」、「4」については次号で述べます。


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