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  • 2008年2月25日

「解雇は無効」から学ぶこと(2月25日掲載分)

物流運送は、ある従業員の処分について頭を悩ませています。
ある従業員とは、入社20年になるベテラン従業員佐藤さんのことです。佐藤さんは、物流運送の長距離トラック運転手として稼働していました。佐藤さんは、業務中に、民家の敷地に駐車中の乗用車の後部に本件車両を接触させる交通事故を起こしました。佐藤さんは、物流運送鈴木店長が本件事故について問い合わせをしたところ、事故の責任を認めない曖昧な言い方に終始しました。その後、結果として、物流運送と被害者との間に示談が成立し、物流運送としては事なきを得ましたが、物流運送は、佐藤さんの行動は従業員としてあるまじき行動であると考え、本件事故を当て逃げ事故であると判断して、佐藤さんを諭旨解雇しました。この諭旨解雇は有効でしょうか?

裁判所は、本件事故は、原告が周囲の状況を注視して進行すべき義務を怠り、漫然と進行した過失により物損事故を起こした事案とした上で、原告は被害車両を損傷したことを認識しながら、あえてこれを放置したとまでは認められないこと、意図的に本件事故の報告を怠ったとまでは認められないこと、事故をもみ消す工作をしたとは認められないこと、被害者との間では被害弁償が円満に終了していることなどから、具体的被告の社会的信用を失墜させる結果の発生が認められないとして、解雇を無効であると判断しています。

要するに、意図的な当て逃げ事故かどうか不明であること、会社に意図的に報告を怠ったか不明であること、具体的に会社に損害が発生しないことから、解雇を無効としています。
この裁判所の価値判断には疑問がありますが、この裁判例から学ぶべき使用者の実務上の注意点は以下のとおりです。

・ 本件では、被害者は、使用者に対し、事故数時間後に、被害車両の損傷が被告所有の車両によるものではないかという問い合わせをしています。それに対し、使用者は、原告に対し、電話で問い合わせをするのみで、すぐに詳しい事情聴取や車両の保全をすることをしませんでした。使用者がすぐに対応していれば結果が変わったかもしれません。

・ 原告がチャート紙を事故後に破棄したのではないかが争われましたが、裁判所は、使用者が、各運転手がチャート紙を自主的に管理し装着する方法を採用していたため、装着忘れの事案が生じうる状況にあったと認定し、証拠隠滅の疑いを否定していました。使用者の日頃のチャート紙の管理次第では、裁判所が証拠隠滅を認定した可能性があり、結果が変わったかもしれません。

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