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  • 2007年12月3日

変更解約告知に基づく解雇(12月3日掲載分)

物流運送は、荷主からの度重なる運送料減額要求と燃料値上げの影響を受けて、2期連続の赤字となってしまいました。銀行からも、来期も赤字であれば、融資は継続しないかもしれないと言われています。物流運送としては、何としても、来期は黒字にするしかありません。物流運送は、これまで考え得るコストカットは全て行ってきました。残るコストカットは、人件費しかありません。物流運送は、従業員の基本給を15パーセントカットしたいと思っています。
従業員が基本給を15パーセントカットすることについて同意しなければ解雇できますか?

 
本問のような手法を変更解約告知と言います。変更解約告知とは使用者が労働者に対し、(従来より不利益な条件による)新契約締結の申込みをなし、これに応じない場合は解雇するという措置を言います。

基本給15パーセントカットに同意しない従業員が一部でもいれば、従業員に不公平感が残り、今後の人事労務管理に支障を生じます。使用者は、賃金カットに同意しない従業員を解雇しなければ、人事労務管理が出来ないことが多いのです。変更解約告知は、使用者のそのような実務上のニーズから生まれたものです。

近似の裁判例(スカンジナビア航空事件・東京地裁平成7年4月13日判決)で変更解約告知の有効性が認められ注目を集めています。

この裁判例によれば「労働者の職務、勤務場所、賃金及び労働時間等の労働条件の変更が会社業務の運営に必要不可欠であり、その必要性が労働条件の変更によって労働者が受ける不利益を上回っていて、労働条件の変更を伴う新契約締結の申込みがそれに応じない場合の解雇を正当化するに足るやむを得ないものと認められ、かつ、解雇を回避するための努力が十分に尽くされているときは、会社は新契約締結の申込みに応じない労働者を解雇できる」としたものです。

この判決からも明らかなとおり、変更解約告知にもとづく解雇が有効であるためには、大変厳しい要件を満たさなければなりません。具体的に言えば、従業員全員について賃金カットをしなければ、赤字が避けられず、または資金繰りがまわらず倒産しかねないような場合であり、かつ使用者が解雇を回避するために、遊休資産を売却したり、経費を削減したりするなどの解雇を回避するための努力をしたときでなければ、解雇ができないことになります。

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