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  • 2007年11月19日

就業規則変更の合理性(11月19日掲載分)

物流運送は、荷主からの度重なる運送料減額要求と燃料値上げの影響を受けて、2期連続の赤字となってしまいました。銀行からも、来期も赤字であれば、融資は継続しないかもしれないと言われています。物流運送としては、何としても、来期は黒字にするしかありません。物流運送は、これまで考え得るコストカットは全て行ってきました。残るコストカットは、人件費しかありません。物流運送は、従業員の基本給を15パーセントカットしたいと思っています。物流運送には、組織率60パーセントの労働組合があり、基本給の15パーセント削減に反対しています。従業員の同意を得ずに、従業員の基本給を15パーセントカットしてもいいのでしょうか? 

 
前回、賃金を削減するためには、就業規則の変更が必要で、就業規則の変更が有効となるためには、就業規則変更に合理性が必要であると述べました。

特に、裁判所は、就業規則変更の合理性の判断において、就業規則変更の必要性と労働者の被る不利益を重視し、両者の相関関係は就業規則変更合理性の判断に重要な影響を及ぼします。
それでは、就業規則変更の必要性と労働者の被る不利益以外の要素については、裁判所は重視していないのでしょうか?そうではありません。

裁判所は、従業員の過半数、もしくはそれに匹敵する構成率の労働組合が、就業規則変更に同意するか否かを重視します。裁判所は、使用者が就業規則を変更して、従業員を一律に取り扱う利益も重視します。例えば、賃金削減に反対した従業員については賃金削減をせず(就業規則を適用せず)、賃金削減に賛成した従業員には賃金削減をする(就業規則を適用する)ということでは、企業運営がうまくいかなくなることは明白です。そこで、裁判所は、就業規則変更に合理性が認められる場合は、たとえ就業規則変更が従業員に不利益であっても、就業規則変更の効力を全従業員に及ぼすことを認めています。

従業員の過半数、もしくはそれに匹敵する構成率の労働組合が、就業規則変更に同意している場合は、たとえ就業規則変更に反対している従業員がいるとしても、過半数の従業員が就業規則変更に同意しているわけですから、全従業員を一律に取り扱う必要性が高くなります。
設問の事例でいえば、組織率60パーセントを占める労働組合が賃金削減に賛成すれば、合理性が認められる可能性が高くなります(反対している従業員についても賃金削減が許されることになります)。労働組合が反対しても、経営側に高度の必要性が認められれば、合理性が認められる可能性がありますが、労働組合が賛成している場合に比べて、その可能性は低くなります。

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