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  • 2007年11月12日

基本給カットできる?(11月12日掲載分)

物流運送は、荷主からの度重なる運送料減額要求と燃料値上げの影響を受けて、2期連続の赤字となってしまいました。銀行からも、来期も赤字であれば、融資は継続しないかもしれないと言われています。物流運送としては、何としても、来期は黒字にするしかありません。物流運送は、これまで考え得るコストカットは全て行ってきました。残るコストカットは、人件費しかありません。物流運送は、従業員の基本給を15パーセントカットしたいと思っています。従業員の同意を得ずに、従業員の基本給を15パーセントカットしてもいいのでしょうか?

  
物流企業の運送原価の約40パーセントは、人件費であると言われています。人件費を抑制して、いかに車を走らせるかが問題となります。物流企業の経営者の中には、業績が悪化すれば、何とか人件費を抑制したいと考える方がいると思われます。では、業績が悪いからと言って、従業員の同意を得ずに、従業員の基本給を15パーセントカットしてもいいのでしょうか?

答えは、イエスでもノーでもありません(もちろん個々の従業員の同意があれば有効となります。ただし、個々の従業員の同意があっても、就業規則を変更しないと賃金削減は無効となります。実務上よく争われるところなので注意してください)。賃金を削減するためには、就業規則を変更する必要があります。裁判所は、賃金を削減するための就業規則の変更に合理性があれば、賃金の削減も有効であると判断しております。裏返せば、就業規則の変更に合理性がなければ、賃金の削減は無効となります。しかし、就業規則変更の合理性といっても、何のことかよくわかりません。具体的にいうと、裁判所は、就業規則変更に合理性があるというのは、就業規則の変更によって①労働者が被る不利益の程度、②使用者側の変更の必要性の内容・程度、変更後の就業規則の内容自体の相当性、③代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況、④労働組合等の交渉の経緯、⑤他の労働組合または他の従業員の対応、⑥同種事項に関する我が国社会における一般的状況等を総合考慮して決定すると言っています。これでも、抽象的でよく分かりませんので、もう少し具体的に述べます。

これまでの賃金削減などの労働条件変更の有効性を争った裁判では、裁判所は、就業規則変更の必要性と労働者の被る不利益を重視し、両者の相関関係は、合理性の判断に重大な影響を与えます。

つまり、賃金を削減する必要性が高ければ、労働者の受ける不利益が大きくとも、合理性を認める可能性が高くなります。

その他の要素については、次号で解説します。

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