労務ネット labor-management.net│団体交渉、労働組合対策、使用者側の労務問題を弁護士が解決!団体交渉、労働組合対策なら杜若経営法律事務所へ

  • HOME
  • 団体交渉|社内
  • 団体交渉|ユニオン
  • 解決事例
  • お客様の声
  • 労働組合問題
  • セミナー・講演
  • 執筆・出版
  • 事務所紹介
  • HOME
  • 2007年7月16日

繁忙期の有給休暇(7月16日掲載分)

物流運輸の佐藤課長は、頭を悩ませています。物流運輸の従業員の鈴木さんが、繁忙期に長期の有給休暇の申請を行ったためです。佐藤課長は、有給休暇は労働者の権利であると分かってはいても、従業員数の少ない物流運輸には鈴木さんに代わる人材はおらず、鈴木さんが有給休暇をとることで、売上が落ちてしまいます。佐藤課長はどうしたらいいのでしょうか?


有給休暇は、労働者が6か月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤することで従業員に発生する権利です。従業員は、有給休暇の時季を指定し、有給休暇を使用することができます。

しかし、使用者にも事業運営上の都合があります。有給休暇を使用する時季によっては、事業に支障が生じます。
そこで、労働基準法は、39条4項で、使用者は請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合は、他の時季にこれを与えることができると定めました。要するに、使用者が「事業の正常な運営を妨げる場合」には、他の日に有給休暇を取ってくださいと、有給休暇の時季を変更できるのです。

では、「事業の正常な運営を妨げる場合」とはどのような場合を指すのでしょうか?

裁判例は、①時季指定された有給休暇日における当該労働者の労働が事業の運営にとって不可欠であり、②代替勤務者を確保するのが困難である場合をさすと判じています。特に、②が重要な要件です。
例えば、使用者が勤務割による勤務態勢が取られている事業において、勤務割を変更することで、代わりに仕事をすることが出来るものを確保できるにもかかわらず、使用者がその確保の努力をしなかった場合には、「事業の正常な運営を妨げる場合」にはあたりません。また、常に人手不足が常態化している場合は、「事業の正常な運営を妨げる場合」にはあたりません。
したがって、上記の例ですと、佐藤課長が、鈴木さん以外の従業員を長期にわたり鈴木さんの代わりに勤務させることができなければ、「事業の正常な運営を妨げる場合」にあたるとして、鈴木さんに違う時期に有給休暇を取りなさいと命ずることが出来ます(ただし、常に人手不足で、だれも有給休暇を使用できないような状況では、「事業の正常な運営を妨げる場合」にはあたりません)。
鈴木さんが、佐藤さんの指示に従わず、繁忙期に出社しない場合には、会社は、鈴木さんに対し、正当な理由のない欠勤をしたことを理由に懲戒処分を行うことも可能です。
ただし、できれば無用なトラブルを起こさないほうが得策ですので、実務的には申請のうちの一部のみ有給休暇の使用を認めて、それ以外の期間については出勤してもらうよう説得し、合意できるように話した方がよいと思います。

執筆・出版・連載記事に関する一覧

直近の執筆一覧(2012年~)

過去の執筆一覧(~2013年)

当事務所の弁護士による出版物

「労働新聞」連載記事(2009年7月~12月)

「物流WEEKLY」連載記事(2007年4月~2009年7月)


Copyright (C) 杜若経営法律事務所 All Rights Reserved.